ブロック塀事故 法令順守が徹底されていない現状

福岡県が作成したリーフレット

大阪府高槻市立寿栄小学校で6月18日の地震により、4年生の女子児童がブロック塀の下敷きになって死亡した事故について、同市は、ブロック塀が建築基準法で定める高さを超えており、法に適合していなかったこと、基礎と塀を固定する設備がなかったことなどを明らかにし、「責任は免れ得ない」としている。1978年の宮城県沖地震では10人以上がブロック塀の下敷きとなって亡くなり、建築基準法強化の契機となった。また学校保健安全法では、校舎内の施設・設備だけでなく、避難経路や避難場所の点検も必要だとしている。しかし、それら法令順守が徹底されていない現状がある。

宮城県沖地震では、犠牲者28人のうち10人以上がブロック塀の下敷きとなって亡くなり、ブロック塀の危険性を露見させた。同県は「耐震改修促進計画」で、「地震時のブロック塀等の倒壊防止に努め、その危険性についてパンフレット等により啓発する」とし、スクールゾーンにあるブロック塀の安全性を全て調査し、危険性のある塀の所有者に指導することを各自治体に義務づけた。

取り組みを推進した同県建築宅地課の担当者は「県民の認識が高まり、11年の東日本大震災では被害を抑えることができた」と話す。16年の熊本地震や、18日の地震でブロック塀倒壊による犠牲者が出たことについて、「これまでの地震の教訓が生かせていないのでは」と警鐘を鳴らす。

05年に福岡沖地震を経験した福岡市は、同年から緊急点検を実施。市内のブロック塀1万8815カ所のうち668カ所を「危険」と判定し、除去工事費を一部補助するなどして改善し、学校内の危険判定箇所はなくなった。

北九州市も、通学路や避難経路に面した塀も含めた独自の点検を毎年行い、17年度には市立学校27校の塀を撤去、補修した。同県建築指導課は「国交省の法定点検では、塀に関しては目視が中心。だが外見では分からず、安全性に欠ける場合がある」として、自己診断を所有者に呼び掛けている。自己診断の基準は、同県のウェブサイトからダウンロードできる。

高槻市教委によると、倒壊したブロック塀が面する幅の狭い通学路には、塀に沿って「グリーンベルト」と呼ばれる通路を設置しており、この「グリーンベルト」の上を歩くよう児童に指導していた。しかしブロック塀は全体で高さ計3.5mになっており、「控え壁」など倒壊しにくい施工を義務化した建築基準法で定める、規定の2.2mをはるかに超えていた。

濱田剛史市長は18日の記者会見で、「3.5メートルの壁の上部ブロック塀の部分が、長さ40mにわたって倒壊した。学校の施設の一部が倒壊し、深くおわび申し上げる。原因をしっかりと究明して、保護者の方に誠意を持って対応していきたい」と述べ、「全ての小・中学校の点検と確認作業を行い、早急な安全対策を行う」とした。

関連記事