子供の虐待死防ぐための対策強化を 署名に10万人

児童虐待防止対策に向けた国民的議論を呼び掛ける発起人ら

東京都目黒区で5歳の女児が虐待死した事件を受け、NPO法人や学識経験者、文化人らによる「なくそう!子どもの虐待プロジェクト2018」が設立された。同プロジェクトは6月21日、都内で記者会見を開き、児童相談所の強化や義務教育段階での性教育の実施など、包括的な児童虐待防止策を提言した。同プロジェクトが14日からインターネット上で実施している署名活動では、すでに約10万人の署名が集まっており、近く加藤勝信厚労大臣や小池百合子東京都知事に提出する。

同プロジェクトは児童虐待を防止するために必要な方策として▽児相の人員の大幅増と常勤弁護士の設置▽警察と児相の情報共有や通告窓口の一本化▽親権停止の積極的行使、「介入」と「支援」の部署を分けるなどの児相の組織改革▽一時保護所、里親、特別養子縁組の拡大・支援▽児相へのITシステム導入による情報共有の円滑化▽特別区、中核市への早急な児相設置▽若年妊娠のリスクや子育てについて早期に知るため、義務教育段階での包括的な性教育の実施▽児童虐待防止対策への十分な予算の確保――を掲げた。

同プロジェクトによれば、児相の数や児童福祉司の数、児童虐待防止対策にかける予算は諸外国と比べ少ない。現在、児相間での転居した児童の情報はファクスでやり取りをしており、ITによるシステム化も遅れている。

また、支援を重視する日本の児相は、親との関係性がこじれるのを恐れ、介入・救出に躊躇(ちゅうちょ)してしまう傾向がある。介入により保護された子供の受け皿となる一時保護所や里親が不足しているのに加え、里親家庭に対する地域社会の理解・協力が十分とは言えない現状もある。

同プロジェクト発起人の駒崎弘樹NPO法人フローレンス代表は「日本では児童虐待の問題を長年放置してきた。加害者の親への非難や児相の責任ばかりがクローズアップされてしまいがちだ。児童虐待を防ぐ社会に向け、国民的な議論を高める必要がある」と強調した。