校長が市教委に危険性報告 寿栄小事故、16年2月

事故が起きた寿栄小学校のブロック塀を視察する安倍首相(首相官邸HPより

6月18日朝に発生した大阪府北部地震で、同府高槻市立寿栄小学校の女子児童が、倒壊したプールのブロック塀にはさまれて死亡した事故を巡り、過去に校長が市教委に対し、ブロック塀の危険性を報告していたことが分かった。林芳正文科相は6月22日の記者会見で「事実関係や経緯をよく確認したい」と述べた。

寿栄小の田中良美校長が事故の起きたブロック塀の危険性を市教委に報告したのは2016年2月頃。市教委は報告を受け、棒による検査を実施し「安全」と判断。ブロック塀への処置は行わなかった。市教委は、当時の経緯について現在調査中としている。

事故を受け、文科省は学校のブロック塀の安全点検を要請した。東京都や大阪府は、学校や通学路にあるブロック塀の安全点検を緊急実施し、市町村教委や都立・府立学校長に報告を求めた。

同省は小中学校の就学援助や高校の修学支援について、被災した児童生徒に配慮するよう都道府県宛てに事務連絡した。

安倍晋三首相は21日に大阪府を訪れ、事故現場を視察した。「あと少しで安全な学校の敷地内に入れるという場所での悲惨な悲しい出来事だ。改めて、心からご冥福をお祈りしたい。二度とこうした悲惨な出来事を起こしてはならない。学校の安全を確保するため、まずは全国のブロック塀の緊急点検を行い、学校の安全を確保していきたい。子供たちの命をしっかりと守っていく」と強調した。

同省によると、22日午後2時現在、自宅での負傷も含めた大阪府内での児童生徒などの人的被害は123人。内訳は▽幼稚園 1人▽小学校 23人▽中学校 24人▽高校 15人▽特別支援学校 2人▽大学 43人▽専門学校など 15人――で、そのうち重傷は4人、死亡は1人、不明は2人だった。

府内での小・中学校の休校は解消されたが、高校で2校が休校。小学校41校、中学校18校で短縮授業を実施している。小学校59校、中学校12校、高校2校が避難所となっている。

国公私立学校の校舎の天井やガラスの破損、壁のひび割れ、断水などの物的被害は、▽三重 1校▽滋賀 9校▽京都 177校▽大阪 720校▽兵庫 95校▽奈良 51校。校種別では▽幼稚園 109園▽小学校 378校▽中学校 211校▽義務教育学校 1校▽高校 214校▽特支 39校▽大学・短大・専門学校など 101校――となった。