18歳成人でトラブル増か 都内で消費者教育のシンポ

フロアとの意見交換

消費者教育支援センターが主催する2018年消費者教育シンポジウム「18歳成人で変わる消費者教育のこれから」が6月25日、都内で開催された。小・中・高の教員ら約200人が参加した。消費者教育の指導に十分な時間が確保できていない現状が取り上げられ、カリキュラム・マネジメントの活用による打開が今後の課題となった。

消費者教育推進会議委員である中村新造弁護士は「18歳成人で懸念される消費者トラブルと対策」をテーマに講演した。消費者トラブルを防ぐ施策として▽消費者契約法や特定商取引法の改正▽クレジットやキャッシングの審査を厳格化――が予定されていることを紹介。消費者教育充実を内容とした新学習指導要領の実施が高校では22年度となっており、成人年齢引き下げと同時期であることを指摘し、「国は消費者教育の重要性を十分に把握できていないのではないか」と疑問を提起した。

中村弁護士はさらに「消費者教育は高校に入ってからでは遅い」とした上で、▽さまざまな教科における小・中・高の体系的な指導▽行動力を身に付けるための参加型・体験型教育▽「消費者教育」の単位必修化など教員養成課程の改革▽弁護士などの専門家、消費生活センター、事業者ら外部講師との連携――が必要と述べた。

続けて前文科省教科調査官の樋口雅夫・玉川大教授が「高等学校の新科目『公共』における消費者教育」をテーマに講演。新学習指導要領における消費者教育について説明し、▽各学校や地域のニーズの正確な把握▽効果的・実践的な教材の収集▽「総合的な学習の時間」や土曜授業の活用――が段階的な実施においては重要であると強調した。

参加者との意見交換では、「消費者教育の重要性は分かっていても、指導に必要な時間が十分に取れない」との悩みが相次ぎ、パネリストらから「英語教育の時数確保のために家庭科が削減された経緯がある」「教員の意識改革が必要で、すぐには難しいという状況がある」と同意する声が上がり、樋口教授は「社会科や家庭科だけでなく、全ての先生が『18歳は大人』という意識を持ち、カリキュラム・マネジメントを活用して学校ぐるみで考えてほしい。そのための猶予期間が4年間あると思ってもらえれば」と結んだ。

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