高校生の自転車事故防ぐ 千葉で事故再現の安全教室

再現された「内輪差」の事故

「危ねえ」「怖わっ」「やべぇ」。生徒たちの悲鳴と驚きの声が校庭に響いた――。千葉県立松戸馬橋高校(江口敏彦校長)の自転車交通安全教室で6月28日、自転車とオートバイの衝突事故が再現された。自転車のフレームは曲がり、ヘルメットを付けた運転者は放り出された。ヘルメットが頭から転げ落ち、頭に損傷を負う。

「あごひもを締めていなかったからです。せっかくヘルメットをかぶっていても、正しく装着しなければ頭を守ってはくれません」。簡易道路が設営された校庭で興奮する全校生徒960人余に対し、「頭を正しく保護しましょう」と安全教室の指導員が諭す。

主催した県と県警はリアリティーを出すため、実際に起きた事故を参考に、自転車が一時停止を無視し、交差点に飛び出すケースを取り上げた。事故の再現を通じて生徒らに恐怖を実感させることで危険行為を未然に防ぐ教育手法は「スケアードストレート」と呼ばれ、この日の安全教室もこれに倣い、スタントマンらが参加した。

「一時停止を無視するなど、軽い気持ちで交通ルールを破った結果、大きな事故になるケースが後を絶ちません。交通安全のため、注意し過ぎることはありません」と指導員は喚起した。

大型車両が左折する際に自転車が巻き込まれる「内輪差」の事故や、携帯電話やスマートフォンを操作しながらの自転車運転も再現され、指導員が事故の危険性を生徒らに気付かせた。

松戸馬橋高校は、生徒の6割に当たる約630人が通学に自転車を利用。代﨑晶子教頭は「生徒が自転車事故で亡くなった例が本校にもあります。自転車の安全運転に対する生徒の意識が高まるよう、全校挙げて取り組みます」と話した。

県と県警は同校を皮切りに11月までの間、県内の高校で自転車の安全教室を開き、交通ルールとマナーの徹底を生徒らに呼び掛ける。