再発防止策に疑問相次ぐ 横浜市の跳び箱事故

跳び箱指導の再発防止策をめぐり議論が紛糾した

大けがにつながる危険がある跳び箱を学校で教える必要があるのか――。6月29日に開かれた臨時の横浜市教育委員会で、昨年5月に市立中学校で起きた跳び箱事故の調査報告書を巡り、教育委員から再発防止策を疑問視する意見が相次いだ。事故は被害生徒が下半身不随となったケースで、けがへの不安が解消されていない状況が浮き彫りとなった。市は再発防止策を学校に周知し、安全配慮に向けた研修をする予定。

2017年5月に市立中学校の保健体育の授業中、当時2年生だった男子生徒が5段の跳び箱を跳ぼうとしたところ、踏み切りが強過ぎ頭から着地マットに落下。首の頸椎(けいつい)を脱臼し、下半身不随となった。市教委は調査委員会を立ち上げ、指導教員や被害生徒からの聞き取りを進めた結果、環境や器具、授業計画に特段の問題はなく、教員が取った緊急時の対処も適切だったと結論付けた。

報告書は再発防止策として、苦手意識や体格など児童生徒の特性、習熟度合いに配慮した指導を提言した。器械運動では必修のマット運動以外は、鉄棒、平均台、跳び箱の中から一つを生徒が希望選択できるようにすべきだとした。

報告を受け、委員からは「原因がはっきりするまで、跳び箱の授業は見合わせてもよいのではないか。再発防止策に近いことはもう学校で行われている。これ以上の対策をしないと、同じことが繰り返される」「学習指導要領で必修となっているからといって、苦手意識を持つ子供に器械運動をやらせる必要があるのか」「生徒の選択にして器械運動を4種目も行うと、かえって教員の目が行き届かなくなる」などの意見が相次いだ。