「不祥事続く」の批判殺到 裏口入学に有力理事関与か

科学技術・学術政策局長が逮捕された文科省汚職事件で、支援事業を巡る便宜の見返りに局長の息子を東京医科大学へ「裏口入学」させた不正に大学側理事ら首脳陣の関与が取り沙汰されていることが7月5日、明らかになった。有力理事らが入試の点数加算に直接関わっていたかどうかが焦点となっている。

一方、文科省は同日、佐野太容疑者(58)を大臣官房付に、戸谷一夫事務次官を科学技術・学術政策局長の事務取扱とする人事異動を発令した。

佐野容疑者が逮捕前まで在籍していた科学技術・学術政策局には同日朝から、批判の電話が相次いだ。「文科省は何をやってるのか」「森加計問題など不祥事ばかり続いている」と憤りをあらわにする意見が目立つ一方、受験生の保護者とみられる人からは「真面目に勉強している受験生に対して許せない行為だ」との非難の声が寄せられた。

菅義偉官房長官は同日午前の定例記者会見で「仮に今回の容疑が事実であれば、教育行政に対する信頼を根幹から揺るがしかねない極めて重要な問題だ。今後、検察当局において全容解明に向けて全力で当たってもらいたい。その上で必要かつ徹底的な対策を講じてゆきたい。林大臣を中心に教育行政に対する信頼回復に向けてしっかりとした対応を講じられると思う」と述べた。

佐野容疑者は官房長だった昨年5月、文科省が進める「私立大学研究ブランディング事業」の対象校選定を巡り大学に便宜を図る見返りに、大学を受験した自分の息子を裏口入学させたとして4日、受託収賄の疑いで東京地検特捜部に逮捕され、文科省は家宅捜索を受けた。

東京医科大学によると、17年度に申請した「先制医療による健康長寿社会の実現を目指した低侵襲医療の世界的拠点形成事業」が他の59校と共に選定された。応募は188校だった。事業は唾液や尿から、がん、生活習慣病、精神疾患などを同時かつ簡易に検査できるメタボローム解析・AI・ビッグデータ解析を用いる未来型検査の確立を目指す内容だった。すでに初年度として3500万円が助成されているという。

同大学は事件が発覚した4日、「多大なご迷惑、ご心配をおかけしていることに深くお詫びを申し上げる。大学として捜査に全面的に協力している」との談話を発表した。

同大医学部医学科の18年度入試(一般入学)は3535人が受験し、214人が合格。倍率は16.5倍だった。