教育長・校長プラットフォーム 「輝く学びの場」を議論

グループディスカッションでは活発な意見交換が行われた

よりよい教育を目指す有志でつくる「教育・学びの未来を創造する教育長・校長プラットフォーム」の初の分科会が7月7日、都内で開かれた。テーマは「公教育の未来~学校に馴染(なじ)めない子供ももっと輝く学びの場を考える~」。教育長1人、校長2人、教職員ら17人と、民間企業・NPOなどから16人が出席し、不登校児童生徒や、特別な配慮を要する子供たちを含む、現在の学校や教室に馴染めない児童生徒への関わり方について、実践発表やグループディスカッションを行った。

今回の分科会テーマは、同プラットフォーム発起人の長野県飯田市教委の代田昭久教育長が発案し、アドバイザーとして同じく発起人である東京都杉並区教委の井出隆安教育長、熊本大学教育学部の苫野一徳准教授が参加した。

実践発表では、東京都足立区立竹の塚中学校の齋藤由美子校長が、前任校(同区立加賀中学校)での不登校生徒への取り組みを発表。ケース会議や個別の適応指導などについてと、新たな不登校を生まないための幼・保・小・中連携の強化などを説明した。

井出教育長は「スタンダードなやり方だが、この事例のように真剣に丁寧に取り組むと結果が出てくる」と評価。その上で「このまま学校や地域におんぶに抱っこ状態で良いのかについては、議論する余地がある」と述べた。

学校法人角川ドワンゴ学園N高校の中島武氏からは、ネット高校「N高校」の取り組みや、小・中学校の不登校児童生徒に対する自治体連携のネットクラス「クラスジャパン」プロジェクトについて発表があった。「学校に馴染めない子は劣っていない」という中島氏の発言には、多くの参加者が賛同した。

その他、富士通の佐藤友香氏からは、特別支援が必要な子供に対する構想段階の動的支援システムの可能性についての、東京都杉並区立済美教育センターの森山徹氏からは、一人一人が輝く場所を選べるようになるための「学びのグラデーション」構想についての発表があった。

グループディスカッションでは、「外部人材の活用をしていくべき」「実は学校に馴染めていないのは教員ではないか」など、産官学の実践者同士が活発な意見交換を行った。

総括として、井出教育長は「学ぼうと思っても学べないでいる子供たちを、なんとかしなければいけない。例えば、在宅でも学べる仕組みと制度を作らなければいけない」と課題を上げた。

苫野准教授は「誰もが同一でやることに疲弊してきている。もっと多様性がごちゃまぜになった社会や学校にしていくべきだ」と提言した。

代田教育長は「公教育のシステムを改善する方法もあれば、民間との協働・テクノロジーの活用もある。いろいろな人たちのアプローチに価値があり、それぞれのアプローチが結ばれていければ」と展望を述べた。

同プラットフォームは、学校現場のみならず産学官の力を結集させ、より良い教育の実現に向けてチャレンジする有志が集い、つながり、試行的な取り組みを実践する場として、文科省若手有志職員が事務局の中心となって設立された。今年3月に第1回の総会を開催。今後は、9月に合宿を予定している。合宿については同プラットフォームのHP(https://www.schoolplatform.org/)へ。