トランスジェンダー学生の受け入れ お茶大以外も検討

会見で大学の方針を説明する室伏きみ子学長

トランスジェンダーの学生の受け入れを、お茶の水女子大学(室伏きみ子学長)が2020年度から開始するのを受け、津田塾大や日本女子大など女子大4校も受け入れに向けて、本格的な検討に入った。お茶の水女子大の受け入れは、国内の女子大初の取り組みで、「戸籍が女性」を前提としてきた女子大にとって大きな転換点となりそうだ。同学は7月10日、学内で会見を開き、あらためて受け入れの詳細を説明した。

津田塾大は16年10月、高橋裕子学長が「トランスジェンダーの学生をめぐる入学許可論争とアドミッションポリシー」と題する論文を発表。米国でいくつかの女子大が、トランスジェンダーの学生の受け入れ表明を文書化したことなどを踏まえ、17年度には受け入れを検討する委員会を立ち上げて、学生、教職員、卒業生らにも意見を聞いて一定の方針を出すとしていた。

日本女子大では15年、戸籍上は男子だが、性同一性障害と診断されて女子として生活している児童が附属中の受験を希望し、保護者が同学に相談したことをきっかけに、小・中・高・大学の代表で議論。いったん現段階での受け入れは難しいとの結論に達したが、お茶の水女子大の動きを受けて17年4月から検討を再開していた。

また、奈良女子大の担当者は「お茶大を参考にしながら、学内での合意形成をはかっていきたい」と話し、東京女子大も検討に入るという。

10日のお茶の水女子大の会見では、室伏学長が、受け入れの20年度開始をあらためて表明したとともに、22年度からは編入も受け入れると発表した。

「性自認が女子」と申告した受験生に、書類の提出や面談を求める。具体的な方法は検討中だが、明文化された診断基準がないことを加味し、「第三者からの書面がなくとも、本人の申告やわが校で学びたい思いを尊重し判断したい」とした。募集要領や手段は、18年度末までに公表する予定。

受け入れについて、在学生や教職員、保護者は好意的だといい、学生からは「トイレや更衣室などの施設整備を」「当事者との対応の仕方を研修してほしい」などの要望が寄せられている。同学は委員会を新設し、ガイドラインの作成や、入学後のフォロー体制の充実を図っていく。

同じく女子校であるお茶の水女子大学附属高校での受け入れについては、「高校受験時の年代では性自認が揺れる可能性が高く、現時点では考えていない」と述べた。