指導力不足は分限処分に 福井、県議発言が波紋

細川かをり県議(公式ホームページより)

福井県議会で、無所属の細川かをり委員が「指導力不足の教員」を学校現場から外すよう求めた発言が波紋を広げている。きっかけは7月2日の総務教育常任委員会。細川委員は「指導力不足の教員をなぜ分限処分にしないのか。子供を相手にする以上、人事は厳しくやってほしい」と県教委事務局をただし、11日には自身の考えをウェブサイト上で公開した。

県教委側は委員の発言に対する問い合わせが相次いだことから戸惑いを隠せず、「管理職が適正に仕事を配分して、教員が教育に打ち込める態勢を作りたい」と述べるにとどまっている。

細川委員は福井県内の公立小学校で教諭を22年間務めた後、福井教育総合研究所の職員を最後に2006年退職。市議会議員を経て11年4月に県議会議員となった。県議会常任委員会で多忙化解消に関する議論になった際、「教員の中で仕事の偏りがある。できない先生がいると、子供に関わる重要な仕事は任せられず、できる先生に仕事が山のようにいく」と指摘し、「分限処分を厳しく検討してほしい」と求めた。

分限は「身分保障の限界」の意で、職責を十分に果たせないと判断した場合に免職、降任、休職させる措置。文科省は「指導改善研修終了時、『指導が不適切』と認定された教員については、教育委員会の判断により、分限免職処分や免職・採用(教員以外の職種への転任)など適切な措置を行う」としている。

細川委員は教育新聞の取材に対し、県議会の発言について「指導力があまりに不足している教員が一人いると、学校に対する不信感につながる」と説明する。委員によると、京都市では1997年に地域教育専門主事室を設置し、指導力不足の教員への3カ月間の個別指導や、分限免職処分、退職勧奨を実施しているという。97年当時で19名が分限免職となっており、他県もそれに倣うべきだと指摘。「管理職や県教委はメンツにこだわらず、子供のため、同僚のため、本人のために、分限処分を速やかに検討すべきである」と述べた。

県教委担当者は取材に対し、「現時点では、学校や市町などから指導力不足教員の報告はない。委員のご発言については多数の問い合わせがあった」と釈明した。