損失は3360兆円、世銀が報告書 女子教育の機会奪取で

ノーベル平和賞受賞者のマララ・ユスフザイさん(マララ基金のホームページより)

女子の教育機会が奪われたことによる経済損失は世界で15兆(約1680兆)~30兆ドル(約3360兆円)に上る――。7月12日の「マララ・デー」にちなんで世界銀行が発表した報告書「失われた機会:女子の教育機会の欠如が招く巨額の損失」で、女子教育の機会奪取による影響が明らかになった。2014年にノーベル平和賞を受賞したマララ・ユスフザイさんは「教育を受けられないという理由で1億3千万人もの女子が、技術者やジャーナリスト、CEO(最高経営責任者)になれないという事実は、グローバル経済、公衆衛生、そして社会の安定に活用できるはずの何兆ドルという資金を失っているのと同じことだ」と訴えた。

損失額は女子の教育機会が奪われたり、中等教育修了を妨げられたりしたことによる生涯生産性の低下と所得の損失額から試算された。

報告書によると現在、世界では6~17歳の女子約1億3200万人(うち75%が10代)が学校に通えていない。サハラ砂漠以南では、前期中等教育を修了する女子の割合が平均40%にとどまっている地域もある。中等教育を受けた女性は、全く教育を受けていない女性と比べ、職に就く可能性が高く、収入は2倍になる。児童婚が根絶されたり、出生率が低くなったりして中等教育を受ける機会が増えれば、本人だけでなく、その子供や社会全体に経済的恩恵をもたらす可能性があるという。

世銀のクリスタリナ・ゲオルギエバCEOは「教育の不平等は解決可能な問題だ。今こそ教育に見られるジェンダー格差を改め、男女区別せず平等に成功の機会が与えられるようにすべきだ」と述べた。

世銀は女子の就学を妨げている資金問題の解決、児童婚の防止、保健サービスへのアクセス改善などの施策に取り組み、2016年以降、10代の女子を対象とした教育プロジェクトに32億ドル(約3580億円)以上を投資している。