「自分の学習経験で教える」のダメ 米教育事情を報告

参加者からの質問に講演者が答えた「Q&Aセッション」

米国大使館は7月20日、講演会「米国教育現場レポート~アメリカにおけるICT教育と第二言語教育~」を都内で開催した。教員ら約60人が出席。教育新聞特任解説委員でリクルート次世代教育研究院の小宮山利恵子院長と、大阪府教育センター小中学校教育推進室の信田清志主任指導主事が、米国国務省の招聘(しょうへい)プログラム(IVLP)に参加した際の体験を語った。

小宮山院長は主に、テクノロジーを活用した教育やデータに基づいた検証、「AI研究の2強」と称される米中の進捗(しんちょく)などについて報告した(連載『米国国務省 招聘プログラム参加リポート』全4回を参照)。

会場から「わが国の現場に生かすべきと特に感じたことは」と問われ、「データを活用した効果測定」と回答。東京学芸大学が、AIなど先端技術を活用した教員養成大学院を2019年4月に設置予定であることに触れながら、「今後の教員にはデータを読み取る力や、それを基に効果的な指導方法を見いだす力が一層求められる」と指摘した。

信田主任指導主事は新学習指導要領で示された「三つの柱」に沿って、▽「生きて働く知識・技能の習得」…移民に「LIFE SKILLS」として英文の書き方などを身につけさせる指導方法▽「未知の状況にも対応できる思考力・判断力・表現力等の育成」…多様性を大前提とした社会で、どのような自己を作り上げるか、どのように自己を表現するかなどの視点▽「学びを人生や社会に生かそうとする学びに向かう力・人間性の涵養(かんよう)」…難民のための語学学校での、指導者に対する感謝に満ちた学びの様子――などについて報告。

教員の一般的な課題として「自分が学んだように教えてしまう」と指摘し、「過去の経験に基づいた実践を変えることに抵抗感を持たず、子供たちとのやり取りの機会をどれだけ設けられるかが今後の鍵となる。小学校での英語教育でも自分の学習経験だけで教えることがないよう、文科省が示すモデルに沿って指導できれば」と述べた。