防災体験施設が営業開始 宮城・東松島、校舎を改修

教室を改装した宿泊ルーム

東日本大震災で壊滅的な被害を受けた宮城県東松島市の旧野蒜(のびる)小校舎が改修により、防災体験型宿泊施設「KIBOTCHA(キボッチャ)」に生まれ変わった。7月21日から本格営業に入り、相次ぐ予約で初日からほぼ満室状態が続く。地元の震災語り部や漁師らと連携しながら、防災を実践的に学んでもらう取り組みが始まった。

県によると、「キボッチャ」は「希望+防災+Future(未来)」の意味がある。旧野蒜小は東日本大震災の際、地震と2.9mの津波で1階が全て破壊され、児童らは一時、体育館に孤立したという。

旧野蒜小校舎は2017年7月の「お別れ見学会」を最後に改築に着手、鉄筋コンクリート3階建ての旧校舎を全面改修した。3階の旧教室は宿泊ルームに。2階には過去の災害を伝える「かたりべルーム」「デジタル資料館」の他、防災を学べる「シアタールーム」が設置され、1階にはレストランや浴場を備える。

運営会社の三井紀代子社長(45)は航空自衛隊出身で、パイロット教育の経験も持つ起業家。「自衛隊での経験を生かし、想定を超える事態に役立つ危機管理能力を育むプログラムを提供する」と説明する。さらに「大きな被害を受けた旧野蒜小だからこそ実感を持って防災を学んでもらえると思う。過去を継承し震災の教訓を伝えながら、未来への希望につなげる施設にしたい」と抱負を語った。

渥美巌市長は「被災した学校を活用し、命の大切さを教える施設は他にない。愛される施設になってほしい」と話している。