すでに危機的、教員不足 背景に産・育休の取得増

委員らは教員の待遇を見直す抜本的な改革を求めた

産休・育休の取得や特別支援学級が増えて、教員の数が足りない――。こんな教員不足の実態が8月2日、都内で開かれた中教審初等中等教育分科会教員養成部会で明らかになった。文科省が中教審側に示した「教員の不足状況」によると、調査対象となった11自治体全てで指定の配置教員数を満たしておらず、委員からは「危機的な状況だ」との声が相次いだ。

調査は▽北海道▽茨城県▽埼玉県▽千葉県▽愛知県▽福岡県▽大分県▽鹿児島県▽大阪市▽北九州市▽福岡市――の11道県・指定都市を対象に、2017年4月1日時点における教員の不足状況を調べた。

調査結果によると、11自治体合わせて、小学校で常勤266人、非常勤50人が、中学校では常勤101人、非常勤153人が不足していた。このうち3自治体では、中学校の教科担任が不足しており、必要な授業ができない状況だった。教員不足の主な背景は、産休・育給取得者と特別支援学級の増加だった。講師登録名簿登載希望者数の減少、採用候補者が他校や教員以外の職に就いたことで臨時教員の確保が難しい状況が生じていた。「採用候補者が免許状の未更新等により採用できなかった」との回答も一定数あった。

自治体の教員不足対策に、▽正規教員の採用数の引き上げ▽教職経験者に対する特別選考の実施▽中高生を対象にした教職セミナーの開催▽教員免許状が休眠状態となっている人への更新の促進――などを求める意見があった。

危機感を募らせる委員からは「教員がかつてのような『魅力的な仕事』ではなく、『大変な仕事』と捉えられている。教員の待遇を大きく見直し、抜本的な改革をする必要がある」「60歳以上のシニア層の臨時教員の活用を促すべきだ」「特別免許状制度の間口を広げ、民間と連携する必要がある」などの意見が出た。