パナ財団の報告会開かれる 丹南中が反転授業を報告

報告会の会場風景

ICTを活用した授業実践を支援している(公財)パナソニック教育財団(小野元之理事長)主催の実践研究助成研究成果報告会が8月2日、大阪市のインテックス大阪で開かれた。第43回(平成29年度)一般助成優秀校・団体の部門で最優秀に選ばれた東京都狛江市立狛江第三小学校など14校・団体が表彰された。第42回(平成28~29年度)特別研究指定校・特別指定校に選ばれた茨城県古河市立上大野小学校など6校の成果が発表され、参加者の関心を集めた。

財団の一般助成は1年間の研究に50万円を助成。特別研究指定校に対しては2年間の研究に150万円を助成し、年3回、計6回にわたり財団指名の研究者が指定校を訪ねて助言する。

特別研究指定校の兵庫県篠山市立丹南中学校は「反転授業を通した予習の習慣化とICTを活用したアクティブ・ラーニング ~予習習慣を身につけ、アクティブに授業に取り組み、思考力、判断力、表現力を磨く生徒の育成~」をテーマに報告した。

報告によると、学力向上のためには、生徒自ら主体的に学ぼうとする意欲を持つことが第一であり、同時に教師中心の講義形式の授業から生徒中心の活動授業へと授業デザインを変えていく必要がある。丹南中は、その仕掛けとして反転授業の実践が有効であると考え、知識・理解が広がることを期待した。

反転学習に必要な予習動画は、異なる教科でチームを編成し全教科で共同制作した。内容は1~2分程度と短く、シンプルに徹した。予習動画で全てを教えることはせずに、次の授業のイメージを抱くことができて、理解が難しいそうな部分があると分かればよいといった姿勢で臨んだ。説明不足があっても、気になる部分があった方が生徒の学習意欲につながりやすいからで、時には音声を入れずに作り、生徒が音声に頼らず自分自身で探って考えるように促した。予習動画の作成は、当初は多忙であったものの、動画がストックされ共有化されるに従って、教員のスキルも向上し、問題点は解消された。

こうした活動を通じて「予習を中心とした学び」に変わっていき、「先生に教えてもらうより、自分で探りながら学んだ方が面白い。自分たちで教え合いながら学んだ方が、理解が深まる」との意識が生徒に芽生えた。今後の課題は、継続性と反転学習の輪を広げることだという。

パナソニック教育財団の学校教育に対する研究・助成事業は、財団のホームページに紹介されている。