高大接続は主体性が鍵 都内で学研がフォーラム

ライティング・センターについて説明する佐渡島早大教授

学研アソシエが主催する「高大教育フォーラム」が8月3、4の両日、都内で開かれた。高大接続の観点から生徒の主体性や課題解決力を問う講演や実践報告、パネルディスカッションが企画され、学校教員を中心に全国から約220人が参加した。

早稲田大学国際学術院の佐渡島紗織教授は「主体的に思考させるライティング指導」を題目に講演した。大学教員の共通の悩みとして論文指導を取り上げ、「徹夜で卒論の赤入れをしているのに、学生が書けるようにならない」と指摘。教員が論文の悪い部分を特定したり、修正の仕方を考えたりしていることに問題があると提起し、「指導で向上するのは教員の文章力。学生に考えさせなければならない」と述べた。

米国では1950年代からライティング・センターを作り、学生の文章力をアップさせる機関として活用してきた経緯がある。日本では2000年代から大学や高校でセンターの設置が始まり、書く過程の支援をマンツーマンで取り組んでいる。支援で重視するのは▽書き手の主体性を促す対話▽文章を診断する観点の指導▽書き手の意図に沿った修正の提案――で、「生徒・学生は書いている途中で文章を他人に見せることに慣れていない。彼らとは構想段階で交流し、考えを深めさせることが大事だ」と佐渡島教授は締めくくった。

「AO・推薦入試で大学側が求める視点」をテーマに講演したのは、鳥取大学入学センター・山田貴光准教授。リクルートなどで企業の採用や高校生の進学を支援してきた経験に基づき、「~委員長」「~大会で優勝」といった活動履歴には意味がないと述べ、「結果ではなくプロセスが大事」と強調した。その上で、活動を通じて何を学び、どう成長したかを生徒自身に振り返らせる働き掛けが重要だと語った。

実践報告では佐賀県立佐賀西高校の取り組みが紹介され、グローバルリーダーを育成するため学校が一丸となって主体的判断力や課題解決能力を育成する過程に注目が集まった。続くパネルディスカッションでは、大学入試の小論文や面接では生徒自身が社会に対して抱く問題意識が問われていることが確認された。