知識多いと悲観的感情低下 自閉症児の母、金沢大調査

自閉スペクトラム症の子供を持つ母親に発達障害の知識が多いほど、子供に対するネガティブな感情が低下することが、金沢大学のグループの研究で分かった。研究結果は8月2日付の米国科学雑誌「PLOS ONE」のオンライン版に掲載された。

大阪大学大学院連合小児発達学研究科金沢校大学院生の冨山更氏、金沢大学医薬保健研究域医学系教授の三邉義雄氏らのグループは、5~8歳の言葉の発達に遅れのない高機能自閉スペクトラム症児の母親30人に対し、出生時以降の子供に対する感情の経時的変化を調査した。その上で健常児の母親32人と比較した。

それによると、自閉スペクトラム症児の母親は診断を受ける前から健常児の母親と比べて高いストレスと心理的苦痛を抱えていた。さらに自閉スペクトラム症児の母親のみに焦点を当て、出生時、発達の問題に気付いた時点、診断を受けた時点、調査時点における子供への感情を調べたところ、発達障害に関する知識が多いほど子供に対するネガティブな感情を持ちにくかった。特に診断時点におけるネガティブな感情が緩和される可能性が示されたという。