差別的不正入試を認める 東京医科大が調査結果を公表

記者会見で調査報告書の内容を説明する内部調査委員会の弁護士

前文科省科学技術・学術政策局長の佐野太被告の息子への「裏口入学」など一連の不正入試疑惑を巡り、東京医科大学の内部調査委員会は8月6日、医学部医学科の一般入試で受験生の点数を不正に操作したことを認める調査報告書を公表した。一部の受験生や3浪までの男子に加点したり、女子や3浪以上の男子を差別的に扱い合格者数を抑えたりしていた。2018年度入試で、佐野被告の息子以外の受験生に対しても「裏口入学」となる加点をしていた。不正は少なくとも06年度入試から続けられていた可能性がある。

文科省は大学側から報告書の提出を受けた。内容を点検した上で対応を検討する方針。

同学医学部医学科の一般入試は学科試験による一次試験と、その合格者を対象に小論文や適性検査、面接を行う二次試験から成る。

調査報告書によると、一次試験では、同窓生の師弟を合格させるなどの目的から、臼井正彦前理事長、鈴木衞前学長によって、入試で便宜を図るよう依頼を受けた受験生の氏名、受験番号などを記載した関係者リストに基づく得点調整があった。少なくとも、17年度入試で13人、18年度入試では佐野被告の息子を含め6人に最大で49点の加点があった。一次試験で点数の不正操作が始まった時期については不明とされる。

二次試験の小論文(100点満点)では、0.8の係数を一律に掛けた上で現役、1浪、2浪の男子に20点、3浪の男子には10点を加える不正操作をしていた。4浪の男子と女子の受験生には加点をしていなかった。入試年度によって係数や加点の変更はあったものの、少なくとも06年度入試から受験生の属性による差別的な不正が行われていた。

佐野被告の息子は一次試験の得点が226点で、順位は282位だった。臼井氏と鈴木氏は文科省のブランディング事業計画書への助言・指導の見返りとして、10点を加算して一次試験を通過させた。二次試験では、佐野被告の子供が2浪の男子受験生であったことから、さらに20点を加算。一次と二次を合わせて301点となり、最終的に75人中74位で「正規合格」となった。

調査した中井憲治弁護士は「調査を進めるうちに大学の組織風土による根深い問題が浮き彫りとなっていった」と説明。同学に対して、ブランディング事業補助金を速やかに自主返還するとともに、再発防止策として▽女性理事の増員を含めた理事会の人心一新・監督強化▽入試採点方法や合否判定の方法の見直し▽同窓会による影響力の排除――などを求めた。