児童養護施設の高校生 大学進学の支援策を提言

児童養護施設の子供たちの夢の実現を訴える藤本さん

夢を持つには憧れの存在が必要――。児童養護施設で暮らした経験のある高校生や大学生が8月10日までに、厚労省を訪れて、児童養護施設の子供たちの大学進学など進路選択の支援策を、加藤勝信厚労相に提言した。加藤厚労相は「児童養護施設で暮らす子供たちにとってのロールモデルになってほしい」と述べた。

同省の調査によると、児童養護施設に暮らす子供たちが大学などの高等教育機関に進学する割合は、2016年では24.0%と全世帯平均(73.2%)を大きく下回っている。

提言をまとめた高校生らは、その原因として経済的な理由の他に、明確な進学目的が持てないことや、実際に進学した人が身近におらず相談できない状況があると指摘。児童養護施設で暮らす子供たちは社会との接点も少なく、憧れとなるロールモデルや進学を支援してくれる存在が必要だと強調した。

幼少期から児童養護施設で暮らしている藤本翔さん(埼玉県立久喜北陽高校3年)は「児童養護施設からの大学進学者は少なく、漠然とした夢に対して、具体的に何を頑張ればいいのか分からない。高校の友達にも、自分が児童養護施設で暮らしていることや進学のことを相談できなかった。将来は児童養護施設で働き、子供たちの夢を引き出せるようになりたい」と話した。

高校生らは教育支援グローバル基金(理事長・橋本大二郎元高知県知事)による、児童養護施設で暮らす高校生を対象とした人材育成事業「ビヨンドトゥモロー エンデバー2018」のプログラムの一環で提言発表を行った。