出産退職で損失1.2兆円 第一生命経済研究所が試算

出産によって退職を余儀なくされる女性が年間20万人に上り、その経済損失は賃金ベースで6360億円、名目GDPベースで1兆1741億円に上ることが、第一生命経済研究所が8月20日までにまとめた試算で分かった。仕事と育児の両立が困難であることを理由に女性が仕事を辞めるケースが後を絶たないことから、研究所は女性の就業継続を保証する制度の重要性を指摘している。

第一生命経済研究所の試算は、厚労省の出生動向基本調査や国立社会保障・人口問題研究所の出生動向調査などに基づく。

それによると、出産を機に仕事を辞める女性は正社員、パートなどの非正規労働者を合わると1年間に約20万人に上る。これら女性の退職で失われた所得は年間で6360億円、経済損失は1兆1741億円に達する。さらに女性が60歳まで退職せずに働いた場合と、30歳で出産退職して40歳から非正規で再び働き始めた場合を比較すると、通算年収で8307万円の差が生じ、全体の経済損失は12兆1000億円になるという。

第一生命経済研究所は「育児休業制度の拡充によって経済損失をもっと少なくできる。待機児童解消、保育施設の整備と合わせて、両立支援制度を利用しやすい職場環境づくりが求められる」と話している。