アイヌへの理解わずか4割 内閣府の調査、低い関心

アイヌについて知っている事項

明治以降、独自文化を制限されたアイヌの歴史を知っている国民は4割にすぎないことが、内閣府が8月17日公表した「アイヌ政策に関する世論調査」で明らかとなった。アイヌの歴史や文化に対する関心の低さがうかがえる結果となった。今年は1993年の「国際先住民年」から25周年に当たる。

調査は、全国の18歳以上の国民3000人を対象に個別面接聴取を実施。1710人から回答を得た。

調査結果によると、アイヌ民族がいることを知っていると答えたのは94.2%(1611人)に上ったものの、そのうち「明治時代以降、多くのアイヌの人々が非常に貧しく独自の文化を制限された生活を余儀なくされたこと」を知っていると答えたのは40.0%にとどまった。さらに、中世以降、和人(アイヌの人々以外の日本人) との間に交流や争いがあったことや、現代では他の日本人と変わらない生活を送っており、北海道以外にも全国各地で暮らしていることについても、知っていると答えた割合は4割を下回った。

独自のアイヌ文化の認知度について複数回答で聞いたところ、▽衣服や服飾品のアイヌ文様 65.3%▽アイヌ語 64.6%▽伝統的工芸品 39.0%▽古式舞踊 37.9%▽口承文芸・民話 37.1%▽民族楽器 34.9%▽信仰・儀式 32.7%――と、事項によってはあまり知られていないものがあった。

重点的に実施すべきアイヌ施策では▽学校教育 45.4%▽啓発・広報活動 42.5%▽文化継承のための人材育成 30.2%▽文化復興のための地域活動などへの支援 26.3%――などとなった。

2017年度に告示された中学校新学習指導要領の「社会科(歴史的分野)」では、江戸幕府の対外政策・対外関係の中で、北方と交易をしていたアイヌについて取り扱う際に、アイヌ文化についても触れることが加わった。同年に公表された小学校「学習指導要領解説」でも、6年生の社会科にアイヌに関する記述を盛り込んだ。