子供の読解力低下に衝撃 新井教授と小池知事討論

新井教授の説明に聞き入る小池都知事

「数学的知識はあるのに、文章問題が理解できず正答できない」「大学入試のパンフレットを理解できず、必要な書類を用意できない」――。8月23日に開かれた東京都の総合教育会議でこんな読解力を巡る状況が明らかになり、国立情報学研究所の新井紀子教授が小池百合子知事や都立高校教員らと児童生徒の指導法について熱い意見を交わした。

小池知事は「(現状に)大変衝撃を受けた。一朝一夕では解決できない課題だが、教育を根幹から改めて考える必要がある」と話した。

小学6年生~高校3年生を対象に読解力の分析に取り組んだ新井教授は検証結果を報告した。それによると、「主語や述語などを整理して文章の意味を正確に読み解く」「2つの文章の意味の同異を判断する」などの問題ができず、文章の基本的な内容すら読み解けない児童生徒が一定数認められた。

新井教授はAI時代を生き抜くには読解力が鍵だと強調した上で、「教科書の内容すら理解できていない児童生徒がいるのではないか」と問題提起した。

高校の教員からは、生徒たちの読解力が低く、学習や学校生活に支障をきたしている事例が報告された。「数学的知識はあるのに、数学の文章問題になると問題の意図を読み取れず解くことができない」「カラスを知らない生徒がおり、授業中に質問された」「大学入試のパンフレットを理解できないので、進路指導にかなりの労力を使った」といった声が相次いだ。

都教委からは「まずは生徒一人一人の読解力を把握し、フォローすることが必要だが、特効薬はなく現場は苦慮している」「日本語すらも未熟な小学校段階から英語教育をすると読解力への影響があるのではないか」などの意見が出た。