うつ病休職を障害者扱い 栃木県教委、雇用水増しで

国のガイドラインに反して障害者手帳や診断書を確認せずに教職員らを障害者雇用数に算入する「水増し」が、各県教委で相次ぎ発覚している。栃木県教委は8月22日、うつ病などで半年以上休職した教職員ら32人について「水増し」があったと発表し、「申請をすれば精神障害者保健福祉手帳を取得できる可能性が高いと考え、実際の取得を確認せずに計上した」と釈明した。富山、石川の両県教委でも雇用数算入に当たって障害者手帳の有無を確認していなかった。

栃木県教委によると、2017年度は教職員217人を障害者として扱い、障害者雇用率は法定雇用率(2.2%)を超える2.36%だった。中央省庁の障害者雇用水増し問題を受けて内部調査したところ、うつ病などで半年以上休職した32人は精神障害者保健福祉手帳を持っていないにもかかわらず障害者雇用数に不正算入していたことが分かった。この他7人についても障害者手帳の有無を確認せずに、本人が申告する身体の障害やてんかんの症状を受け入れ、水増ししていた。雇用数を見直した結果、雇用率は2.02%に下がった。

栃木県教委は22日の記者会見で「厚労省のガイドラインを拡大解釈してしまった。悪意はなく、不注意だった」と説明した。県教委は障害者雇用率が都道府県で最低(1.4%)を記録した直後の2012年度分から、うつ病などで半年以上休職した教職員を障害者雇用数に算入してきた経緯があり、引き続き調査に当たる。

富山県教委は今年6月時点で、119人を自己申告のみで障害者雇用数に算入し、石川県教委は昨年6月時点で障害者手帳を持たない46人を水増ししていた。石川県教委は教育新聞社の取材に対し、少なくとも02年度から国のガイドラインに従わない取り扱いをしてきたと説明した。


【障害者雇用水増し問題】

中央省庁で障害者雇用数を不正に算定し、法定雇用率を水増ししていた疑いがあるとして、厚労省が調査を進めていることが8月半ばに発覚した。農水、総務、国交の各省で不正算定の疑いが出ている。障害者雇用促進法は、民間企業、国・地方公共団体、都道府県などの教委が、法定雇用率以上の割合で障害者を雇うことを義務付けている。法定雇用率は2018年4月から0.2ポイント引き上げられ、民間企業が2.2%、国・地方公共団体が2.5%、都道府県などの教委が2.4%になった。法定雇用率を達成できなかった企業は納付金が課せられる。厚労省のガイドラインは、法定雇用率の障害者数に算入できるのは▽身体障害者手帳▽知的障害者の療育手帳▽精神障害者保健福祉手帳▽精神保健指定医らの判定書―を原則持っている人としている。