障害者の職場虐待が最多 1308人、厚労省調査

虐待が認められた障害者数

職場で虐待を受けた障害者が2017年度は1308人に上ったことが、厚労省が8月22日発表した調査結果で分かった。前年度比34.6%(336人)の増加で、集計を開始した2013年度以来、最多となった。虐待の種類は、最低賃金を下回る違法な賃金で働かされるなどの「経済的虐待」が最も多く、1162人(83.5%)を占めた。

調査結果によると、虐待が確認された企業などは597で、従業員が50人未満の小規模な企業が8割を占めていた。業種は、製造業が192(32.2%)のトップで、医療・福祉123(20.6%)、卸売業・小売業70(11.7%)が続いた。虐待を受けた障害者の就労形態は正社員とパートがそれぞれ4割だった。暴言や叱責(しっせき)、威圧的な態度にさらされるなどの「心理的虐待」を受けたのは116人、「性的虐待」は7人だった。

職場で虐待をしたのは、雇用主が86.1%の最多で、所属の上司は11.8%だった。

厚労省は「小規模な企業は障害者を雇用する経験が乏しく、理解が不十分である点が考えられる。虐待防止と虐待があった場合の是正指導を徹底したい」と話している。


【職場における障害者の虐待】

 職場における障害者の虐待は、障害者虐待防止法により、身体的虐待、性的虐待、心理的虐待、放置虐待、経済的虐待の5つに分類される。身体・知的・精神・発達の障害種別にかかわらず、経済的虐待を受ける人が最も多く、厚労省による2013年度の調査開始以来、虐待全体の8割を占めてきた。経済的虐待は、障害者の財産を不当に処分すること、障害者から不当に財産上の利益を得ることと定義されている。17年度の調査では「『健常者なら時間給900円だが、障害者だから800円だ』と言われ同意した。しかし、納得できないと考え、使用者に賃金額の見直しを申し出たが、改善してもらえなかった」(期間契約社員の精神障害者)「障害者の約定賃金(時間額)が地域別最低賃金額(時間額)を約100円下回っていた」(期間契約社員の知的障害者)などとする経済的虐待のケースが報告されている。