小~高で1冊の活動録に キャリア・パスポートの例

キャリア・パスポート(試案)のワークシート

文科省は、小学校から高校までの12年間にわたって使用する「キャリア・パスポート」の例を作成し、指導上の留意点と共に今年度内に公表することを決めた。8月24日に開かれた協力者会議の初会合でパスポートの試案と編集方針が示された。新学習指導要領を見据え、特別活動を中心に児童生徒が自分自身のキャリアについて考えた記録を1冊のポートフォリオとして振り返られるようにする。

新学習指導要領では、特別活動を要に小、中、高校の各段階でキャリア教育の充実を図る。そのため、児童生徒の発達段階に応じて、キャリア教育の活動や学びを振り返り、自己評価を行う教材として「キャリア・パスポート」を国が例示し、各自治体や学校の実情に応じてカスタマイズしたものを使用する。

試案では、小学1年生から高校3年生までの12年間の記録を1冊にとじることが想定され、A4サイズのワークシートに学校生活を振り返ったり、自分自身の将来イメージを記述したりする。職場体験活動やインターンシップでの経験をまとめるシートもある。ワークシートには保護者や教員からのコメントを記入する欄を設けるなど、大人が児童生徒のキャリア形成に対話的に関わることが想定されている。

教員がキャリア・パスポートの意義や活用法を深く理解し、作文や写真などの資料を加えすぎたり、「書いただけ」で終わらないようにしたりする必要があり、12年間の使用に耐える堅牢性(けんろうせい)も課題になりそうだ。

協力者会議座長の藤田晃之筑波大学教授は「導入に当たっては、限られた学級活動やホームルーム活動の負担にならないように配慮する必要がある。教員の間で混乱が起こらないようにしたい」と話した。