札幌市の監査「優秀賞」 教員の過重労働への切り込み評価

札幌市が教育事業を対象として委託した外部監査について、全国市民オンブズマン連絡会議(名古屋市)は8月28日、監査内容を評価した2017年度の「通信簿」で「優秀賞」に選んだと発表した。他に選ばれたのは青森県と埼玉県。15年度に監査を受けた自治体の対応についても評価し、18県市に「レッドカード」を宣告した。

札幌市が教育事業を対象にしたのは、これが初めて。市では「いつまでも安心して暮らせる街」などの方針の下、17年度決算では総額の4.6%に当たる約423億円を教育費とし、学校環境の整備や教育内容の拡充に取り組んだ。監査報告書は緊急課題として、▽教員の過重労働問題▽貧困による教育格差――に重点的に切り込んで分析し、解決の方向性を述べた。

同会議は「現場教員や貧困の実態に関する調査があれば、もっと説得力を持つことができた」としながらも、現代的な社会問題を緊急課題として指摘した点を評価し、「優秀賞」とした。

取材に対し札幌市は「先生方の長時間労働や貧困は喫緊の課題。報告を重く受け止めている。今年度中に措置を検討し、ウェブサイト上などで公表する」としている。

同会議はまた、15年度の監査を受けた自治体の措置対応についても「速さ」「措置対応度」「説明責任」の3観点を5段階で評価し、結果を公表した。教育事業に関し、全ての観点で最高評価を得たのは徳島県で、「いじめ問題について複数の課が対応するなど、責任の所在が不明確」という指摘に対し、人権教育課内に「いじめ問題等対策室」を新設して、生徒が抱える問題の窓口とする措置を行うなどした。

3年連続で総合評価が低かった18県市には「レッドカード」を宣告し、改善を求める要望書を送った。