児相への虐待相談が最多に 16年度の虐待死は77人

児相が把握した虐待の内訳

2017年度に児童相談所が対応した児童虐待の相談件数(速報値)は13万3778件に上り、過去最多を更新したことが、8月31日までに厚労省が発表した調査・検証結果で分かった。16年度中に児相が把握した子供の虐待死は77人に上った。心中による虐待死は28人、身体的虐待やネグレクト(育児放棄)による虐待死は49人だった。

それによると、全国210カ所の児相が児童虐待相談として対応した件数は、前年度より9.1%、1万1203件増加した。心理的虐待への対応や警察からの通告が増えた。虐待の内容は▽身体的虐待 24.8%▽ネグレクト 20.0%▽性的虐待 1.2%▽心理的虐待 54.0%――で、特に心理的虐待が増加した。要因に、警察からの子供が同居する家庭での配偶者に対する暴力(面前DV)の通告が増えたことが挙げられる。

虐待死については、心中による虐待死の死因は首を絞め付ける窒息が最も多く、火災による熱傷・一酸化炭素中毒が続いた。主な加害者は実母が最も多かった。動機を複数回答で尋ねたところ「保護者自身の精神疾患・精神不安」が最も多く、次いで「育児不安や育児負担感」だった。心中のケースで児童相談所が関わることができたのは22.2%にすぎず、市町村の虐待対応部署が関わった例はなかった。

心中以外の虐待死では、0歳児の犠牲が65.3%と最も多かった。特に月齢0カ月児が50.0%と高い割合を占めた。虐待の種類では、身体的虐待が最も多く、次いでネグレクトだった。主な加害者は実母が最多だった。動機(複数回答)は「保護を怠ったことによる死亡」が最も多く、次いで「子供の存在の拒否・否定」と「精神症状による行為」が続いた。

実母が抱える問題(複数回答)では「予期しない妊娠、計画していない妊娠」が最も多く、次いで「妊婦健診未受診」「母子健康手帳の未交付」「遺棄」の順。実母の心理的・精神的問題では「育児不安」が最も多く、次いで授乳や食事、子供の体調管理、安全面への配慮などが適切にできない「養育能力の低さ」が続いた。