学力の3要素をどう測るか 大学入試センターがシンポ

シンポジウムでは大学入試改革と学力の3要素の関連を検討した

大学入試センターが主催する「大学入試センター・シンポジウム2018」が9月3日、東京都千代田区の一橋講堂で開かれ、大学や高校の教職員ら約400人が参加した。高大接続改革をめぐり、高校教育、入試制度、大学教育に携わる研究者らが登壇。学力の3要素である知識・技能、思考力・判断力・表現力、主体的に学習に取り組む態度について2020年度からの入試でどう測り、大学教育とどう接続するかを討論した。

大学生のコンピテンシー育成をテーマに話した松下佳代京都大学教授は、大学教育では「学力」という言葉があまり使われず、より広い能力の総称としてコンピテンシーが用いられることが多いと指摘した上で、コンピテンシーの育成には「個別の知識やスキルの獲得だけでなく、それらを結集させるような課題に出合わせる必要がある」と述べた。具体的な例に、三角ロジックなどを用いて、データや根拠と結論をつなぐ「論証」を意識する活動を高校や大学のあらゆる授業で取り入れる必要性を挙げた。

市川伸一東京大学教授は、新学習指導要領が高校教育にもたらす影響の大きさを取り上げた。「これまでの高校の授業は50年前とほとんど変わっていない。旧態依然の講義式授業と活動偏重の『AL風授業』をどう止揚するか。講義とALのめりはりが重要になるだろう」と強調。大学は入試よりも授業改善・評価に労力を割くようにすべきだと主張した。

高校現場の観点から述べた荒瀬克己大谷大学教授は「高大接続改革は大学入学共通テストに関心が集まっているが、高校生や大学生にどういう力を身に付けさせるのかが重要だ」とくぎを刺した上で、新学習指導要領で高校教育が大きな転換を迫られていると述べた。「高校はまずできることとできないことに分け、できることをしつつ、できないことを放置せずに少しずつ変えてくのが大事だ」と話し、現状の課題を把握するためのツールとして「高校生のための学びの基礎診断」の有効性を挙げた。