VRで学校に海を再現 東京・渋谷の区立中

VRでは思い思いの方向を向いて深海を体験

「すごい、海の中みたい!」――。見慣れた体育館に広がるいつもと違う光景に、子供たちから歓声が上がった。暗幕で外の光を遮り、ライトを照らして海底から見た光を再現。奥には30人以上を収容できるドームを設置し、周囲をCGで作り出した魚が泳ぐスクリーンが取り囲む。

東京都渋谷区の「理数教育重点校」に指定された区立鉢山中学校(柏一郎校長)で9月14日、VR(仮想現実)を用いて海を学ぶ新感覚の体験型イベント「解るVR/海といのちのENDLESS CHAIN」が開催された。主催は「海のVRスタディープロジェクト実行委員会」で、日本財団「海と日本プロジェクト」の一環。海が直面するさまざまな問題を感覚的に分かりやすく伝え、持続可能な社会づくりに向けた態度を育成するのが狙い。

ドーム内に設置されたスクリーンに、東大や東京海洋大学、沖縄美ら海水族館などの協力で制作した映像を上映。最新の研究成果に基づいて、サンゴや深海植物など多様な海の生物について知り、海の酸性化や廃棄物の影響、生態系の変化といった問題を学ぶことができる。

ドーム状スクリーンに投影される海の美しさに見入る

VRは、実際の海中の360度映像とCGを使い、あたかも海面から徐々に深海へと潜り込んでいったかのような海体験が味わえる。出現するウミガメやエイなどに3秒以上カーソルを合わせると映像が切り替わり、ドーム内で学んだ知識に関するクイズに挑戦できる。体験の最後に「海洋マイスター」の称号が参加者に与えられた。

実行委員会の1人、つくりば代表の山田耕三さんは「海洋を巡る問題は、一人一人が意識して取り組むべき課題です。海を次世代へ引き継ぐために、未来を担う子供たちに実感を持って学んでほしい」と語った。