全員プログラミングに集中 相模原市立小、静かなPC室

偶数を判別するプログラミングに集中

「算数は苦手だけど、パソコンを使う時は楽しい」――。授業の終わり、男子児童が胸を張る。屈託のない笑顔から達成感があふれ出ていた。

相模原市立新磯小学校(青木正利校長)で9月20日、プログラミングを活用する5年生の算数の授業が公開された。単元は「整数の性質を調べよう」。プログラミングによって整数の性質を効率的に調べ、たくさんの整数を取り上げることで理解の定着を図るのが目的だった。

市のICT環境は十分ではない。それでも、市立総合学習センターは「現状の環境で可能なプログラミング教育」を目指すと意気込む。PC教室を活用する方法の研究や教員のスキルアップを推進し、センターの指導主事が学校を回って研修を続けている。

この日の授業も、学習センターが主催した。市内外から集まった50人以上の教員らが見守る中、児童31人がプログラミングに取り組んだ。市内の別の小学校に勤務する教員は「プログラミング教育には不安しかない。働き方改革と言いながら、小学校で教えることは増える一方だ」と述べた。参加の理由について「少しでも授業のヒントを得られればと思った」と打ち明けた。

授業者の清田英孝教諭は冒頭で「偶数か奇数かを判定するには、どんなプログラムを作ればいいか」と問いかけた。児童らは意見を出し合い、「1の位が2で割れる数なら当たり(偶数)」というプログラムにすればいいと予想。各自早速、プログラミングに取り組んだ。

まずはワークシートへの記入。数の入力、判定するための条件、判定後の回答を、正しい手順になるよう考え、ワークシートに示された選択肢から選んで順番に並べる。次は、プログラミングソフト「スクラッチ」を使った作業。各自で記入したワークシートどおりに、PCへの命令を記した「ブロックパレット」を正しい順序に並べる。

授業のまとめで成果を確認する

一人の児童が「算数の時間はいつもちょっとうるさいのに、PC室だと皆静かだね」と隣に話し掛けた。授業の導入部分ではやや騒がしい場面も確かにあったが、プログラミングの作業に入ると全員集中し、話し声が消えた。

授業の終わりには、どの児童も正しいプログラムを作り、成果を発表することができた。清田教諭は「プログラムを作る体験を通して、偶数、奇数という性質だけでなく、さまざまな観点から数に興味を持てるようにしたい」と抱負を口にした。

参加者の一人は「これまで積み上げてきた実践が基本。プログラミングの力を借りることで、もっと分かりやすくなったり、面白くなったりすると感じた」と自分に言い聞かせていた。