事務次官、局長が辞職 高額接待で幹部3人懲戒

記者団に囲まれ謝罪する髙橋初中局長

文科省汚職事件の贈賄側から高額の接待を受けて国家公務員倫理規定などに違反したとして、同省は9月21日、戸谷一夫事務次官、髙橋道和初等中等教育局長、義本博司高等教育局長を懲戒処分にした。戸谷、髙橋両氏は辞職願を出し、同日の閣議で辞職が承認された。昨年1月に天下り問題で辞職した前川喜平前事務次官に続き、2代続けて事務方トップが任期途中に引責辞職する異例の事態に発展した。

菅義偉官房長官は21日の記者会見で、戸谷氏の辞職について「文科事務次官が2代続けてこうした形(の不祥事)で辞職することになったのは誠に遺憾だ。文科省で再発防止を徹底し、国民の信頼回復に向けてしっかり取り組む必要がある」と語気を強めた。

文科省によると、処分内容は戸谷氏が減給10分の1(3カ月)、髙橋氏が減給10分の1(2カ月)、義本局長が10分の1(1カ月)。戸谷、髙橋両氏は減給分を自主返納する意向を示した。この他、柿田恭良大臣官房総務課長が訓告。

戸谷氏は辞職直後に「政治家は利害関係者ではないと考え、当時は違反であるという認識はなかった。今にして思えば甘い認識だった」と釈明し、「私自身がこういう形で辞めるのは文科省の若い職員たちに申し訳なく思う。反面教師として、今後こういうことが二度と起こらないようにしてほしい」と述べた。髙橋氏は「(接待を受けた時)不覚にも国家公務員倫理法に違反しているという認識が十分ではなかった。少し注意深く考えれば(贈賄側の)谷口被告が利害関係者であったことは容易に分かることで、自らの注意力の無さを深く反省している」と謝罪した。

戸谷氏は2015年10月29日、当時、宇宙航空研究開発機構(JAXA)の理事として出向していた前国際統括官の川端和明被告から誘われた元国会議員との会食で、贈賄罪で起訴された元コンサルタント会社役員の谷口浩司被告から1次会、2次会の費用、移動のタクシー代として少なくとも6万2千円を上回る高額な供応接待を受けた。

髙橋氏はスポーツ庁次長だった17年6月29日に、スポーツ・コンプライアンス教育振興機構(SPOCOM)発足記念会後の懇親会に国会議員から参加要請があると川端被告から伝えられた。髙橋氏が懇親会に参加したところ、利害関係者であるSPOCOM監事を務めていた谷口被告が同席しており、少なくとも2万円程度の供応接待を受けた。

義本局長は同年9月に川端被告から谷口被告との面会を頼まれ、同月15日に設けられた会合で1次会、2次会の費用、帰宅のタクシー代で合計10万円を超える金額を谷口被告側が支払った。その後、谷口被告らから他省庁幹部職員との懇談機会の調整を頼まれ、参加者1人当たり1万5千円の供応接待を受けたとされる。

事務次官の事務代理には藤原誠大臣官房長が、初中局長の事務取扱には小松親次郎審議官が任命された。前国際統括官の川端和明被告の事務取扱は、これまで戸谷事務次官が担っていたが、辞職により山脇良雄審議官が任命された。

汚職事件が発覚した後の8月、文科省は調査・検証チームを立ち上げ、供応接待の有無などについて職員から聞き取りを進めてきた。