残業代求め現役教諭が提訴 埼玉、未払い240万円余

未払い賃金の支払いを求められた埼玉県庁(県HPより)

時間外労働に残業代が支払われないのは違法だとして、埼玉県の市立小学校に勤務する男性教諭(59)が9月25日、県に未払い賃金約242万円の支払いを求め、さいたま地裁に提訴した。現役の教諭が未払い賃金の支払いを求めた訴訟を起こすのは異例。来年3月に定年退職となる教諭は「全国の先生が無賃労働を強いられている。次の世代に引き継いではいけない」と話し、教員の働き方改革の在り方を真正面から問うている。

訴状によると、公立学校の教員は「教育職員の給与等に関する特別措置法(給特法)」で基本給の4%にあたる「教職調整額」が支給される代わりに、時間外手当や休日手当は支払われない。法律上、時間外労働とみなされるのは▽生徒の実習関連業務▽学校行事関連業務▽職員会議▽災害時の緊急措置――の「超勤4項目」のみで、部活動指導を含むその他の業務は全て「教員の自発的行為」としている。

教諭は2017年9月~18年7月、4項目以外にテストの採点や授業準備、評価などの事務作業で1カ月に約40~80時間の残業があったと主張。4項目に該当しない時間外労働には労基法に基づいて、教職調整額とは別に適正な賃金が支払われるべきだとしている。

記者会見で教諭は「同じ公務員でも警察官や市役所職員には残業代が出るのに対し、教員だけが無賃労働を強いられている」と述べ、「私は38年間、無賃で時間外労働をしてきた。この先もずっと強いるのですか。それは人権侵害であり、差別になりませんか」と訴えた。

県教委は「訴状を見ていないのでコメントできない」としている。教諭は現在、担任を務めており、児童・保護者らの混乱を避けるため、名前や勤務校は公表していない。