ビッグデータの可視化で 学習意欲の向上に効果

「見える化」で学習意欲の向上に成果

ビッグデータを活用したeラーニングで児童の学習意欲を向上させることができる――。岡山大学は9月27日、寺澤孝文教授が長野県高森町と共同で、学校のテストやドリル教材などの学習データを解析し、グラフで可視化した結果を教員や保護者にフィードバックすることで、児童の学習意欲を向上させることを実証したと発表した。25~27日に仙台市で開催された日本心理学会第82回大会で発表した。

発表によると、漢字や英単語の定着を測るには従来のテストでは実力と「一夜漬け」の効果の違いが分からず、学習到達度の正確な測定はできなかった。寺澤教授はおびただしい年単位の学習やテストのスケジュールを制御し、高精度の膨大な学習データを収集するeラーニングシステムを構築。それらを解析し、グラフとして一人一人の子供にフィードバックできるようにした。

2016年度に児童1人1台のタブレット端末を導入した高森町は、町立小学校に通う5・6年生約300人を対象にeラーニングシステムを使った社会実証実験をした。タブレットに漢字の読みや四字熟語の意味を答えさせるドリル教材をインストールし、児童にはあえて覚えようとせずに教材に取り組むよう指示。その結果をグラフで教員や保護者に提示した。その結果、学習意欲が顕著に低かった子供の意欲が半年間で劇的に向上したことが確認された。

寺澤教授は教育新聞の取材に対し「保護者や教員が可視化された結果を見て、勉強が苦手で学習意欲が低い子供を褒めることで、意欲が向上する。研究から機械的な暗記学習ならばタブレットでも十分学力が伸びることが分かった。そうした知識の獲得はタブレットによる個別学習に任せ、学校の授業は主体的な学びや思考力の育成を中心にすべきだ。今後、他の自治体に対しても公募で参加を呼び掛けたい」と話した。