AIを教育デザインに生かす 都内で導入セミナー開催

AIを用いてスピーキング力を高める

学校現場の課題解決や教員の働き方改革につながるAIの役割について考える「事例から学ぶ『教育×AI』導入セミナー」が10月3日、都内で開かれた。デジタル・ナレッジの主催。セミナーでは人工知能(AI)ができること、できないことを明確にしながら、AIの特性を生かした教育デザインの可能性を取り上げた。

同社の教育ICTサービス事業部・岡田健志主任研究員は、大学院で教育心理や認知科学を研究し、現在はAIやVR(バーチャル・リアリティー)を教育に活用するシステムを開発している。「AIは子供の学習のパートナーや、先生のアシスタントにはなれるが、先生の代わりを務めることはできない」と岡田研究員はまず提起した。

「『AIが添削をできる』というのは誤った認識。先生たちは添削を通じて、児童生徒の間違いの背景や、頑張って解こうとしたが間違えてしまった過程をくみ取りながら、適切なコメントや支援を考えている。それはAIにはできない」と述べた。例えば英語の場合であれば、AIがスペルミスや単純な文法の誤りを見つけ、本人に修正させた上で、教員が添削するなどのアシストができるという。

神奈川県横須賀市にある私立三浦学苑高校では、英語のスピーキングの練習にAIトレーニングツールを使用している。生徒がタブレット端末に向かって英文を読み上げると、AIが内容を識別し、評価するというツールだ。

「先生の後に続けて発音してみてください」と教員が指示した時よりも、AI相手に個別に発音する方が生徒は積極的になる傾向があり、間髪を入れずにはっきりと評価されることが取り組みへの意欲につながると岡田研究員はみている。生徒同士で評価を比較し、発音の要点を検討し共有しようとする学び合いが生まれているという。

教員はAI任せにせず、生徒のつまずきがどこで起きているかを判断し、適切に支援をすることが重要になる。例えば英単語「as」がAIに認識されていない場合には、「カタカナ英語では『アズ』でも、最初の母音にアクセントを置く必要がある」と説明し、見本を示しながら改善を促す必要がある。岡田研究員は「AIはあくまでもツールだが、うまく使うことで学習が活性化する」とアドバイスする。