児相間の引き継ぎ不十分 目黒の虐待死で検証結果

東京都目黒区で両親に虐待された5歳の女児が今年3月に死亡した事件で、厚労省の専門委員会は10月3日、女児の安全確認や児童相談所間の引き継ぎが不十分だったとする検証結果を公表した。一家が以前生活していた香川県の児相は、女児のけがの写真など客観的な書類を引き継いでおらず、転居先の都の児相が事案の緊急性を判断できなかったことなどを問題点に挙げた。

検証結果の報告書によると、香川県の児相は一家が転居届を提出する約2週間前の今年1月4日に児童福祉司指導を解除した。都の児相へ電話と書類送付による引き継ぎを行ったのは1月29~31日で、約1カ月間児相による支援がない状況にあった。引き継ぎの際には膨大な書類を送付する一方、けがの写真などは送っておらず、緊急性の判断材料となるリスクアセスメントシートも作成していなかった。口頭での補足説明も不十分だったことから、事例の要点や危険度のアセスメント(評価)が不明確だったと指摘した。

都の児相は、立ち入り調査のような介入的な関わりよりも実母との関係構築が必要だと判断。2度にわたり実母に拒否され女児の安全を確認できなかった後も、この方針を継続し、リスクアセスメントの見直しをしなかった。事件は児相が女児の様子を確認できないうちに起きた。

転居前の女児には虐待が疑われる傷やあざがあり、これを把握していた香川県の医療機関から都の児相に直接情報が提供されたが、緊急性が高い状況にあるとの判断に生かされなかった。報告書は再発防止に向け、▽アセスメント向上に資する人材強化策の取り組み▽対面による実施など、緊急性や重症度が高い事例の引き継ぎの徹底▽子供の安全確認ができない場合の立ち入り調査の実施――などを提言した。