「閉校やめろ」批判相次ぐ 奈良・平城高、教育長矢面

閉校が予定されている奈良県立平城高校(2018年7月撮影)

奈良県の吉田育弘(やすひろ)教育長は10月4日、県立高校再編計画で閉校を予定する平城高校(奈良市朱雀)を訪問し、生徒と懇談した。計画が性急だとする意見や、閉校対象を選ぶ基準が不透明だとする批判が生徒から相次ぎ、話し合いは紛糾した。

県議会は高校再編の関連条例を7月3日の定例会で可決し、現在33校ある県立高校を30校に再編する計画が決まった。閉校する平城高校の跡地には、耐震化が必要な奈良高校(奈良市法蓮町)が移転する予定。6月27日、計画撤回を求める約2万筆の署名が吉田教育長に提出された。さらに奈良市議22人が9月、関係者に十分な説明がないまま計画が進めば、教育行政への信頼を失墜しかねないとして、条例の議決延期を求める緊急声明を発表し、荒井正吾知事や吉田教育長、県議らに提出した。

弓道部の優勝旗の前に立つ今西一盛校長(2018年7月撮影)

10月4日の話し合いで、生徒らは「なぜ奈良高校と統合せず、閉校とするのか」「閉校を取りやめにできないのか」と迫った。吉田教育長が「計画が変わることはない」と答えると、「すでに決定しているのなら、なぜ今になって懇談の場を開いたのか。生徒や卒業生の意見を計画に反映すべきだったのではないか」と生徒らは反発し、当初予定された45分の懇談は2倍の1時間半に及んだ。

平城高校の今西一盛校長は「本校は全国で初めて、教員育成のための教育コースを設置するなど独自の取り組みを進めてきた。部活動も盛んで、今年も弓道部など六つの部が全国大会に出場する。閉校については教職員一同、非常に残念に思っているが、県の方針であれば仕方ない」と語った。

吉田教育長は生徒らとの懇談後、「子供たちにはなぜ今になって来たのかという思いをストレートにぶつけられた。それに対しては何も言いようがない」と述べるにとどまった。県教委は10月末まで、統合・閉校する高校の生徒らとの懇談を続ける方針だ。