変形労働時間制は効果的 教育長が特別部会で報告

変形労働時間制を導入した場合のシミュレーション(東京都の試算)

年単位での変形労働時間制の導入などを検討している中教審の学校における働き方改革特別部会は10月15日、第18回会合を開いた。事例報告をした東京都教委の中井敬三教育長と岐阜市教委の早川三根夫教育長は、変形労働時間制の導入について効果的だとする考えを示した。

都は17年度の教員の勤務実態調査のデータを基に1年単位の変形労働時間制を導入した場合のシミュレーションを実施した。中井教育長は「長期休業期間中、部活動は指導員に頼んだり、補習指導は非常勤の教員OBを活用したりすれば、自己研さんや余暇の時間を確保できる。教員採用選考の倍率が減少しており、長期の休みを取れることは教員の仕事の魅力にもつながる」と指摘し、変形労働時間制の導入に賛同した。

岐阜市教委は今年8月に土日を含め16日間連続の学校閉庁日を設けた。市教委が実施したアンケートによれば、連続学校閉庁日を支持する教員は92.4%、来年度も同制度の維持を希望する意見が76.4%に上った。この結果を踏まえ、早川教育長は「来年度も地域や保護者の理解を得ながらこの取り組みを継続したい。変形労働時間制はすぐに導入できる改善策の一つとして有効と言える」と述べた。

同部会における現時点での「意見まとめと今後の方向性」によれば、変形労働時間制の導入は学期中と長期休業期間中との繁閑を踏まえ、学期中の業務の縮減と長期休業期間中の確実な休日を確保する手段として、1年間の変形労働時間制を自治体の判断で導入できるような制度改正を検討すべきだとしている。

文科省は、変形労働時間制を導入し、長期休業期間から学期中に週3時間を割り振り、学期中週3日間を8時間45分勤務とした場合に年間15日間の学校閉庁日が、週4時間を割り振り、週4日間を8時間45分勤務とした場合は年間20日間の学校閉庁日が、それぞれ確保できると試算している。


【変形労働時間制】労働基準法第32条の4で定められている。年間で平均して1週間当たりの労働時間が40時間を超えないことを条件として、業務の繁忙期と閑散期で労働時間や連続労働日数を割り振ることを認める制度。繁忙期でも労働時間は1日10時間までとするなど、上限が設けられている。公立学校の教員を含む地方公務員は地方公務員法第58条第3項によって適用除外とされている。文科省によれば、地方公務員法が適用されない国立大学附属学校では、約9割で変形労働時間制が導入されているという。