「目指す、未来の授業」 東京・前原小でICT報告会

児童は各自の端末から大型モニターに画像を映し出して発表した=10月17日、小松亜由子撮影

総務省「『次世代学校ICT環境』の整備に向けた実証事業」の指定を受けた東京都小金井市の中間報告会が10月17日、市立前原小学校(松田孝校長、児童540人)であった。

総務省は2017年度から文科省と連携し、「スマートスクール・プラットフォーム実証事業」を実施している。事業は教職員が利用する「校務系システム」と、児童・生徒も利用する「授業・学習系システム」の間で、安全かつ効率的な情報の連携を目指す。市は総務省の指定を受け、「スマートスクール・プラットフォーム」の基盤となる「次世代ICT環境」の整備に向けた実証実験を続けている。

前原小は市のモデル校として、ICTを中心に据えた新たな学びに取り組む。低予算でも導入できるよう、廉価な情報端末を用い、他の自治体にも展開できるモデルを目指す。松田校長は従来の指導方法を「昭和の素晴らしい遺産です」と説明し、「その呪縛から解き放たれ、新しい時代を開く子供たちにふさわしい学びを描き出すという覚悟で取り組んでいる」と補足した。

中間報告では全学年17学級で公開授業を実施した。見どころは「従来の指導にICTを活用するのではなく、ICTなどの先端技術をど真ん中においた授業展開をしている点」と解説する。前原小では児童1人につき1台の情報端末を設置しており、「全ての授業で端末が日常化している事実を見てほしい」と訴えた。

「新たな学びに通信システムと情報端末は不可欠だ」と語る松田校長=10月17日、小松亜由子撮影

6年生では社会科の授業を公開した。「明治維新から自由民権運動」の単元で、「千葉卓三郎がなぜ、五日市町(現在の東京都あきる野市)で私擬憲法作成を行ったか」という課題に対し、グループごとに端末を活用し考察した。学習の成果は、教室用画像転送システムを通じて学級全体で共有された。

大熊雅士教育長はあいさつで、「今の自分の物差しで今日の授業を判断しないでほしい」と参加した教員らに呼び掛けた。「『今の子供たちの課題を解決する』という考えだけでは、今の教育界の大きな流れを止めてしまう。『先の見えない未来をたくましく生きるために必要な力を育むには』という視点で、未来の授業の在り方を検討してほしい」と述べた。