松島湾に台湾との懸け橋 宮城・松島高の生徒が案内

地名や歴史をスケッチブックで伝える宮城県松島高校観光科の生徒ら=10月18日、小松亜由子撮影

秋晴れの松島湾に、台湾からの観光客と高校生の明るい声が響き渡った――。宮城県松島町で10月18日にあった「ふれあいウォーク」の一場面。高校生が工夫を凝らして観光名所を案内し、観光客は質問したり写真を撮ったりして交流を深めた。

「ふれあいウォーク」は世界各地の名所を歩きながら現地の人々と触れ合うイベント。航空運送業のANAグループが2004年から開いている。これまでは日本人観光客向けに海外で実施していたが、国内での開催はなかった。宮城県とANAホールディングスが18年7月、観光の振興や地域活性化などに関する協定を締結したのをきっかけに、県内での開催が決定した。

ガイドを務めたのは、宮城県松島高校(神成浩志校長、生徒581人)観光科の生徒ら。ANAからイベント協力の申し入れがあり、神成校長が「グローバル化がますます進展する中で、大事な一歩。初の試みで冒険になるが、新しいことに挑戦させたい」と承諾した。

歩くルートの他、名所にまつわる歴史などについて理解を深める「ふれあいイベント」の内容は、生徒が日頃の学習成果を踏まえ、ANA側の担当者との話し合いを通じて決定した。生徒79人と台湾からの観光客23人が、名所で知られる瑞巌(ずいがん)寺や円通院、観瀾(かんらん)亭などを巡った。この他、東日本大震災後に台湾の支援もあって修復された福浦橋を生徒の案内で渡り、チェックポイントでは名所にまつわるクイズを出題。正解者には生徒が折り紙で手作りしたトンボなどの賞品が手渡された。

名所にまつわるクイズを出題し、丁寧な解説もする宮城県松島高校観光科の生徒ら=同

神成校長は今回の取り組みについて「教員が指示したわけではなく、生徒が主体となっておもてなしを工夫した」と述べ、「世界を相手にする際、求められるのは語学力だけではない。大切なのは、言語の異なる相手に対するコミュニケーションの手段や伝え方を工夫すること、自らの考えを打ち出そうすることです。新たな時代に求められる力を実地で育みたい」と抱負を語った。

ANA側の担当者である内野絵梨香さんは「高校生が放課後まで、クイズや案内ボードなどを懸命に作る姿に心動かされました。『来てよかった、また来たい』と思ってもらえるように励む、その努力を惜しまない姿勢が今日の秋晴れをもたらしたのかもしれません」とイベントを振り返っていた。

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