文化部改革テーマにシンポ 長沼部活学会会長が講演

文化部改革の論点を提示した長沼教授=10月20日午後1時半すぎ、藤井孝良撮影

長沼豊学習院大学教授らが著した「部活動改革2.0 文化部活動のあり方を問う」(中村堂刊)の出版を記念するシンポジウムが10月20日、明治大学(東京都千代田区)で開かれた。教育関係者40人が参加し、長沼教授のほか、本紙特任解説委員の妹尾昌俊氏が登壇した。

文化庁の文化部活動ガイドラインの作成検討会議の座長を務め、日本部活動学会の会長でもある長沼教授は基調講演で、自身が考える部活動改革の方向性に三つの要点を挙げた。①どの生徒もいずれかの部活動に所属することを学校が義務付ける「全員加入制」の廃止②どの教員もいずれかの部活動の顧問を受け持つ「全員顧問制」の廃止③部活動顧問は技術的な指導をせずに生徒の自主性を尊重し、相談を受けた際の助言などにとどめること――で、現在文化庁で検討が進む文化部活動ガイドラインの策定に関し、積極的に提案したいと意欲を示した。

続けて、部活動における教員の負担を減らすためには、大会やコンクールの主催者側にガイドラインの順守を義務付けたり、新任の教員には3年間は部活動顧問をさせずに、教材研究や学級経営に専念させたりするなどの取り組みが必要だと提言した。

長沼教授は「文化部の活動内容はさまざまな教科と接点が多い。新学習指導要領で示されている探究的な学習を文化部で発展的に取り組めば、意義も高まる」と述べる一方、「全員加入制の学校では、文化部が運動の苦手な子供の受け皿となっていたり、小規模な学校では文化部の選択肢が少なかったりしている」と問題を提起した。「文化部の活動を通じて文化を継承していくと捉えれば、大人になっても続けたり、親しんだりできるようにするという視点も重要だ」と話した。