著書出版で注目動画を公開 内田・苫野両准教授の対談

対談する苫野准教授(左)と内田准教授(右)(対談動画「内田×苫野『みらいの教育』ロングバーション」より)

注目を集める本「みらいの教育―学校現場をブラックからワクワクへ変える」(武久出版刊)の10月23日発売に合わせ、著者の内田良名古屋大学准教授(教育社会学)と苫野一徳熊本大学准教授(教育哲学)が対談した動画がYouTube上に公開された。

教育社会学者と教育哲学者の2人が、過労死ラインを超えてまで自己を犠牲にして働く教員の「特殊性」を支える給特法など、学校現場が抱える問題に切り込み、公教育の構造転換を迫る。

対談の冒頭で内田氏は、苫野氏が「教育の特殊性」について批判した論考を目にした時「同じことを教育哲学者が言っていると身震いした」と語った。それを受けて苫野氏は「哲学的な視座では、教師の仕事は特殊ではない。むしろ市民社会の根幹を支える土台。そういう意味で『教育の特殊性』論は論ばくできる」と明言した。

内田氏は危険な組み立て体操による学校事故など、市民社会のルールでは異常と捉えられていても学校現場では指導の一環となってしまうことは「教育の特殊性」の最たる例だと指摘した。給特法の現状を許容する論調についても「教員の長時間残業が労働と認められないのは特殊というより異常だ」と強調した。

苫野氏は「これまで教育の議論はさまざまな信念の対立でしかなかった。もうそれはやめるべきだ」と述べた上で、「問題を前にワクワクすることで人は動く。このワクワクのイメージをもっと共有していきたい。給特法に反対する部活動熱心な教員にも、こうなったらもっと楽しく部活動ができるというビジョンを出せば、応援してくれるのではないか」と話した。さらに「学校の教員にも自由が必要だ。教員の自由裁量を増やし、それをサポートする体制を行政がつくれば学校現場は変わる」と強調した。