ESDの視点で防災学習 宮城県多賀城高の研修会

気体の動きを考察する生徒ら=10月19日、小松亜由子撮影

宮城県多賀城高校(佐々木克敬校長、生徒810名)で10月19日、ESDの視点から防災学習や国際理解学習を深める公開研修会があった。授業公開後には講演があり、宮城教育大学・教員キャリア研究機構の機構長を務める市瀬智紀教授が「持続可能な社会の創り手を育む―ホールスクールアプローチによるESD/SDGsの推進」と題して、持続可能な社会作りに向けた学校全体での取り組みのポイントについて報告した。

同校は2016年度にユネスコスクールに加盟。18年度には文科省「スーパーサイエンスハイスクール(SSH)」に指定され、▽防災学習▽自然科学学習▽国際理解教育――を柱に指導の工夫に取り組んでいる。一方、16年度には全国で2例目となる「災害科学科」を新設し、「命とくらしを守る地球未来の創造者」の育成を目指す。

佐々木克敬校長(左)と市瀬智紀教授=同

19日は災害科学科1年生の化学の授業が公開され、気体の特性を考察する実験が取り上げられた。佐々木校長は「プロパンガスは空気より重いので下にたまり、都市ガスは空気より軽いので上にたまるなど、重さの違いを知るだけでも避難行動に役立てることができる」と説明。「本校は災害科学科を有するSSHとしてはパイロット校と言える。ESDを推進する学校として新たなモデルを示せるよう、指導内容の再編や精選に今後も努めていきたい」と語った。

市瀬教授は「体験を通じて、防災や環境など世界規模の課題を自分事として捉えようとしている。地域や社会のために行動できる人材の育成につながっている」と同校を評価。「ESDの学びの本質は学習者中心の、行動変容を伴う取り組みです。社会と直結する学びは意欲を引き出し、キャリア意識を高めることにもつながる」と呼び掛けた。

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