12府県で代理受領が未実施 高校生等奨学給付金

教育に必要な授業料以外の経費を低所得世帯へ補助する文科省の高校生等奨学給付金制度について、会計検査院が19府県を抽出調査した結果、保護者から奨学給付金の受給を委任された高校が保護者に代わって受領する「代理受領」が12府県で実施されていなかったことが分かった。10月22日に会計検査院は文科省に対し、代理受領を含めて給付金が確実に利用されるための制度的措置を求める意見書を出した。

意見書によると、会計検査院は京都や大阪、愛知など19府県を抽出し、奨学給付金が制度化された2014~17年度に各府県に在住し、制度の対象となった保護者や高校などに聞き取り調査を実施した。

その結果、国公立、私立のいずれかまたは両方で代理受領が実施されていなかった自治体は▽京都▽大阪▽岩手▽栃木▽群馬▽千葉▽愛知▽和歌山▽島根▽香川▽福岡▽鹿児島――の12府県に上った。

代理受領を実施していない府県では、授業料以外の学校徴収の教育費の未納を理由にした出席停止や仮進級、卒業証書の授与保留、除籍処分など、学業上の不利益を受けていた生徒が17年度69人に上った一方、実施した県では2人にとどまっていた。

会計検査院は調査を基に、奨学給付金が授業料以外の教育費に確実に活用されるために必要な仕組みになっていないとして、文科省が都道府県に対し、代理受領を実施するよう求めるべきだとしている。