仮想宇宙が特別支援学校に 全国8校で遠隔合同授業

都立府中けやきの森学園で宇宙旅行を疑似体験する生徒ら=10月23日午前11時すぎ、藤井孝良撮影

宇宙で車いすはこげるのか――。全国8校の特別支援学校による遠隔合同授業が10月23日、実施された。各校と東京都三鷹市にある国立天文台が遠隔合同授業システムを用いて中継を結び、高等部に所属する肢体不自由の生徒らが宇宙旅行を疑似体験した。東京都からは都立府中けやきの森学園と都立北特別支援学校の2校が参加した。

授業は最初に、参加校ごとに授業への意気込みや好きな惑星を発表し合った。続いて国立天文台の縣秀彦准教授と中継をつないだ。縣准教授は国立天文台が開発した仮想宇宙空間シミュレーションソフト「Mitaka」で生徒が希望する火星や土星の様子を映し出し、それぞれの特徴や銀河系について説明した。府中けやきの森学園には、近隣の特別支援学校の生徒の姿もあった。

「なぜ地球だけ生物がすめるのか」「宇宙は膨張しているのか」「ブラックホールは本当にあるのか」など、宇宙に関する生徒からの質問に対し、縣准教授は模型や写真を使いながら丁寧に解説した。「車いすで宇宙に行くと、車いすをこげるのか」との質問に縣准教授は「宇宙は無重力なので、体が浮いて車いすがなくても自由に動ける。将来、宇宙旅行に行ける時代が来る。ぜひ皆さん、大人になったら宇宙に行ってみてください」と呼び掛けた。

授業を受けた小川祐太郎さん(都立村山特別支援学校高等部2年生)は「以前から星に興味があり、すごく楽しみにしていた。授業は分かりやすく、さらに興味を持った。遠隔合同授業で世界の観光地も見てみたい」と感想を語った。

けやきの森学園で授業を担当した櫻井真紀子教諭は「生徒の中には旅行経験が少なかったり、知識では知っていても実際に見たことがなかったりする生徒もいる。遠方の特別支援学校の生徒と一緒に学ぶことも貴重な体験だ。遠隔合同授業が普及すれば、通学籍と訪問籍の生徒が同じ授業を受けられるなど、可能性も広がる」と期待を込めた。