問題を読解する力に課題 都独自の学力調査で判明

振り返る活動と平均正答率の関係(小5)

東京都の小中学生は読解力に課題のあることが、都が独自に実施した2018年度「児童・生徒の学力向上を図るための調査」の分析で分かった。10月25日に開かれた都教委第16回定例会で報告された。授業の最後に振り返りをよくしている学校では、していない学校よりも正答率が高く、その差が拡大した。

調査は小学校5年生と中学校2年生の全員を対象に実施。小5は国語、社会、算数、理科の4教科、中2は国語、社会、数学、理科、英語の5教科の学力調査と、児童生徒と学校の各質問紙調査で構成した。

調査結果によると、小学校の各教科の平均正答率は▽国語 66.5%▽社会 70.2%▽算数 53.8%▽理科 70.4%――だった。中学校は▽国語 72.5%▽社会 60.3%▽数学 53.0%▽理科 52.5%▽英語 56.7%――だった。

小学校国語の「昨年、上野動物園でパンダの赤ちゃんが生まれた」との文章で「パンダの」について詳しく説明している文節を答えさせる問題の正答率は、53.6%にとどまった。中学校数学の「底面積と高さがそれぞれ等しい円柱と円錐で、円柱の体積は円錐の体積の何倍になるか」との問題は正答率が57.3%で、修飾・被修飾の関係や文章の基準となるものを捉え、表現することに課題があった。

読解力の問題を巡っては、条件によって割引率が変わるスーパーの冷凍食品の価格について、割合の考え方を用いて問題の条件に合った方程式を答える設問を中学校数学で出した。割引が実施される二つの条件を比較し、金額の差が90円となる時の方程式を答えさせる小問では、正答率が7.9%、無解答が34.4%だった。小問は、問題文が比較的長文だったため、問題の意味を十分に読み取れずに解答できなかった生徒が一定数いた可能性があるという。

児童生徒と学校の各質問紙調査からは、▽教員が授業の最後に学習内容を振り返る活動を計画的に取り入れているか▽児童生徒が自分の考えを発表する機会があるか▽児童生徒が自分のことを大切な存在だと感じているか(自尊感情)――で、肯定的な回答をした方が学力調査の平均正答率が高かった。振り返りを取り入れている学校とそうでない学校の差は前年度より広がった。