小さい日本の読解力格差 ユニセフ、41カ国順位付け 

ユニセフ(国連児童基金)のイノチェンティ研究所は10月30日、「レポートカード15 不公平なスタート―先進国における子供たちの教育格差―」を公表した。EU(欧州連合)やOECD(経済協力開発機構)に加盟する41カ国の就学前、小学校、中学校の時点における教育格差を順位付けした。日本の15歳の読解力格差は38カ国中、格差の小さい方から8番目だった。

報告書は、OECDが実施している2015年のPISA(生徒の学習到達度調査)や国際教育到達度評価学会(IEA)が実施している小学校段階の読解力を調査した16年のPIRLSの結果などを基に、小学校入学前の1年間に就学前教育を受けていた子供の割合と小学校4年生段階(10歳前後)、中学校3年生段階(15歳)の読解力に関するテスト結果から、最低と最高の差を比較した。

その結果、データが入手可能な欧州の29カ国のうち16カ国で、最も貧しい20%の世帯の子供は、最も豊かな20%の世帯の子供に比べ、就学前教育に通っている割合が低かった。この傾向は子供が就学している間も続き、成績が同じくらいの15歳の子供を比べると、親が地位の高い職業にある子供は、親が地位の低い職業についている子供より、高等教育に進学する傾向が極めて高かった。

日本の読解力に関するテストの点数格差は、小学校段階ではPIRLSに不参加のため比較できないが、15歳の中学校段階では、比較した38カ国の中で格差の小さい方から8番目だった。

移民の子供が多い25カ国のうち21カ国で、15歳時点での第一世代の移民の子供は、同年齢の移民でない子供よりも成績が劣る傾向があった。さらに、15カ国では第二世代の子供たちも、移民でない子供たちの成績を下回っていた。

報告書は▽質の高い就学前教育を全ての子供たちに保証▽最低限の基礎的能力習得を全ての子供たちに保証▽社会経済的格差の削減▽平均だけでなく平等も重視した政策――などが子供の教育格差是正につながると提言している。