ブロック塀の耐力不足原因 高槻市の第三者委が報告書

大阪北部地震で大阪府高槻市立寿栄小学校のブロック塀が倒壊し、同校の4年生の女子児童が犠牲になった事故を受け、事故の検証を進めていた第三者委員会の高槻市学校ブロック塀地震事故調査委員会は10月29日、事故原因や再発防止策をまとめた報告書を濱田剛史市長に答申した。事故の主因はブロック塀脚部の耐力不足と結論付け、再発防止策として既存のブロック塀を全て撤去するよう求めた。

報告書によると、倒壊したブロック塀の内部構造には▽接合筋が用いられ、ブロック壁体内の縦筋と重ね継ぎ手されていた(溶接されていなかった)▽接合筋の長さが短く、擁壁への定着長さが確保されていなかった▽地震により破断した接合筋には著しい腐食があった――として、こうした施工上の不良箇所が倒壊の主原因とした。

ブロック塀が日常点検の対象に含まれておらず、建築基準法で定められた点検項目の一部を点検業者が実施していなかった問題を指摘した。その上で、確認された不良箇所は外観目視調査では判別できないため、法令に従って適切に点検していたとしても、安全性を確認することは不可能だったと指摘した。

市の再発防止策に▽全てのブロック塀の将来的な撤去▽学校施設の点検体制の見直し▽安全管理指針の大幅見直し▽現実的、実践的な防災教育の実施――を求めた。

委員長の奥村与志弘関西大学准教授は答申に合わせ声明を発表した。阪神・淡路大震災や熊本地震でもブロック塀の倒壊による人的被害が生じながら、対策の優先順位が高くなかったと指摘した上で「後回しにされた課題が解決されるまで災害は待ってくれない。後回しにされた課題への向き合い方が問われている」と強調。ブロック塀による事故を二度と起こさないために、報告書で分かった知見と教訓を高槻市だけでなく全国で活用してほしいと訴えた。

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