教頭の平均勤務12時間33分 「過労死白書」が報告

教職員調査「過重労働防止に向けて必要だと感じる取り組み」(白書概要より抜粋)

政府が10月30日に閣議決定した2018年版「過労死等防止対策白書」によると、国公私立小・中・高・特別支援学校の教職員1日当たりの平均勤務時間は通常期で11時間17分に上り、最長は副校長・教頭の12時間33分、次いで主幹教諭の11時間47分だった。過重労働防止策に「教員の増員」を挙げた教職員の割合は78.5%に達し、学校における働き方改革が待ったなしの状況であることが改めて浮き彫りになった。

白書によると、教職員の平均勤務時間の調査は、全国の教職員を対象にアンケートを実施し、3万5640人から回答を得た。アンケートでは、厳密さが本来求められる退勤時刻の把握方法を「自己申告」とする回答が34.8%と最多だった。「校長などが目視」(23.7%)が続き、「タイムカードなどによる客観的な記録」は16.9%にとどまった。

残業の理由は「業務量が多い」とする回答の割合が69.6%で最も高かった。過重労働防止策に必要だと感じる取り組みは「教員の増員」(78.5%)がトップで、「学校行事の見直し」(54.4%)「教員同士のコミュニケーション円滑化」(43.1%)「校内会議時間の短縮」(38.8%)が続いた。

一方、過重労働防止のために校長が着手した取り組みに対する学校調査では、「校内会議時間の短縮」(39.1%)や「管理職から教員への積極的な声かけ」(34.0%)が回答割合の上位を占める一方、「教員の増員」は6.8%、「学校行事の見直し」が28.2%にとどまるなど、校長と教職員の間で人員増を巡る認識に大きな違いが見られた。

「業務に関連したストレスや悩み」の有無を尋ねたところ、80.7%が「ある(あった)」と回答。職名別では副校長・教頭が83.2%で、教諭は83.1%、主幹教諭82.7%だった。ストレスや悩みの内容は「長時間勤務の多さ」(43.4%)と回答した割合が最も高く、次いで「職場の人間関係」(40.2%)「保護者・PTAなどへの対応」(38.3%)だった。

白書は過重労働の是正に加え、ストレス対策も重要と指摘した。

過去5年間に「脳・心臓疾患」「精神疾患」になった公立学校教員に関する調査では、「脳・心臓疾患」が28件で、中学校が最多の15件だった。過重労働の要因は、担任や部活動顧問に関する業務が多かった。「精神疾患」は23件で、原因(28件・複数原因)は保護者対応など「住民などとの公務上での関係」が最多の13件で、生徒からの暴力など「異常な出来事」(6件)が続いた。

白書は過労死等防止対策推進法に基づき、16年から毎年まとめられており、今年は学校教員や医療など五つを「過重労働が顕著な重点業種」に挙げ、調査・分析結果を報告した。