アイヌの記述充実を 教科書会社へアイヌ協会

教科書へのアイヌの記述充実を訴える加藤北海道アイヌ協会理事長=10月30日午後1時半すぎ、東京・霞が関、藤井孝良撮影)

アイヌ民族の歴史や文化を教科書会社向けに解説するセミナーが10月30日に開催された。主催は内閣官房アイヌ総合政策室。学習指導要領の改訂に伴う教科書の編集作業が始まっていることから、加藤忠北海道アイヌ協会理事長は、教科書におけるアイヌの歴史・文化、アイヌ語などの記述を充実するよう呼び掛けた。

セミナーは昨年、小中学校の教科書を発行する教科書会社向けに開催したのが最初。2回目の今回は、高校の地理歴史をはじめ、国語や芸術、中学校社会科など関連する教科・科目の教科書を発行する13社が参加した。セミナーは専門家の講演の他、アイヌ民族文化財団による伝統舞踊の披露や伝統楽器の演奏があった。

加藤理事長は「アイヌの文化や歴史が日本史や世界史、地理で扱われてこなかった。国語では異なる言語であるアイヌ語を習わない。このことでアイヌの子供が生活しづらい社会になっており、アイヌの歴史や文化を知らない和人(アイヌ以外の日本人)の子供も不幸なことになっている」と話し、アイヌの歴史・文化を公平・公正に扱う教科書の記述が必要だと訴えた。

2018年3月に告示された高校の新学習指導要領は、新設の「歴史総合」や「日本史探究」で北方交易をしていたアイヌの存在やその文化を取り上げることを求めている。

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