
待機児童問題に取り組む市民団体「希望するみんなが保育園に入れる社会をめざす会」は10月31日、都内で記者会見を開き、「みらい子育て全国ネットワーク」の設立と活動方針を発表した。めざす会が取り組んできた待機児童問題の他、男性の家庭進出や子育て政策に対する国民的な関心を高め、行政に問題の解決を働き掛ける考えだ。
天野妙代表は会見で「日本の子育て概念のバージョンアップが必要だ。子育て政策に関わる意思決定者の意識改革を促したい」と述べた。
発表によると、全国ネットワークは▽待機児童解消▽男性の家庭進出▽「#子育て政策聞いてみた」――の三つのプロジェクトを通じて、日本の子育て文化、子育て政策の変革を目指す。
待機児童解消では、幼児教育・保育無償化による新たな保育ニーズの喚起と併せ、保育園に入れないのに待機児童に含まれない「隠れ待機児童」、保育人材の処遇改善などの課題解決を求めていく。
男性の家庭進出については、男性は仕事、女性は家事・育児という性別役割分担の意識を変え、男性が当たり前に育児休暇を取得したり、家事や育児に参加したりするための制度改革を提言する。
「#子育て政策聞いてみた」は地方自治体の首長選挙で、候補者に子育て政策に関するアンケートの回答を求め、得られた回答を会員制交流サイト(SNS)で広めることによって、子育て世代の投票率や子育て政策の優先度向上につなげる。